新*今日の漢字* 「興」
昨日は夜から雨が降りましたが、一昨日から折り畳み傘をカバンに忍ばせていたので・・・
濡れずに帰宅しました。
では・・・
新*今日の漢字*
「興」 音読み コウ キョウ 訓読み おこ(る す)
画数 16画 部首 臼(うす)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 同と臼(きょく)と廾とを組み合わせた形。
同は酒杯。
臼と廾はとのみ左右の手を並べた形。
酒杯である同を両手で持ち、さらに下から両手で支えもって酒を注ぐことを
いう。
地霊(大地に宿る霊)を祀(まつ)るとき、大地に酒をふり注いで地霊に気づか
せ、地霊を呼び起こす儀礼を興という。
神を祀るとき、神をよびおこすために酒を注ぎ、舞をした。
[周礼、地官、舞師]に「小祭祀(せうさいし)には則(すなは)ち興舞せず」とあ
り、重要な祭祀には興舞を行った。
地霊をよび興すことから「おこす」の意味となり、地霊がめざめることから、す
べてのものが「おこる、はじまる、おこなう、さかんになる、おもむき」の意味
となる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 同と臼(きょく)と廾(きょう)とに従う。
同は酒器の形。
臼と廾はともに左右の手を並べた形。
酒器である同を上下より持つ形。
地に酒をふり注いで、地霊をよびおこすことをいう。
儀礼を行うにあたって、まず地霊を祀(まつ)るもので、灌地(かんち)の礼を
いう。
[礼記(らいき)、楽記(がくき)]に「上下(しゃうか)の神を降興(かうこ
う)す」とあり、上帝には降、地霊には興という。
[説文]三上 に「起すなり」とし、字形は舁(よ(かつぐ))と同に従い、共同し
てものを起こす意であるとするが、全く字義をえていない。
同は[書、顧名(こめい)]に「同瑁(どうぼう)」とみえるもので、酒器。
[顧名]ではこの酒器で酒を飲みかわす儀礼があり、それが授霊の意味をもつ行為で
あった。
人を清め祓(はら)うときにも、この酒器で酒をふりそそぐ。
その字は釁(きん)上部は酒器の卣(ゆう)を両手に持って酒を注ぐ形、次に酉
(ゆう(酒樽(さかだる)))、次の分の形の部分が酒樽からさじぇうぃ灌(そ
そ)がれている人の側身形である。
釁はのち牲血をもって器を清め、制作物を清める儀礼の意にも用いるが、もとは
酒で人を清める儀礼であった。
その釁を、地霊に対して行なうのが興で、[礼記、楽記]の「上下の神を降興す」を
はじめ、[周礼(しゅうらい)、地官、舞師]「小祭祀(せうさいし)には則ち興舞
(こうぶ)せず」の興舞も、灌地して神をよび出す祭儀をいう。
ただ小祭祀のときには、その祭儀を略するのである。
この地霊を興す呪儀(じゅぎ)が、呪詞的な表現を伴うとき、その呪詞を興
(きょう)という。
詩篇において興とよばれる発想法は、この呪儀に起原する修辞である。
賦・比・興とよばれる詩の発想法のうち、賦はことだまによって対象にはたらき
かけること、興はいわゆる興舞の呪儀によって地霊を興すことばであり、わが国
の序詞や枕詞(まくらことば)と、その起原的性格において通ずるところがあ
る。
興起(こうき)とは地霊を興起して、そこでおこなわれる祭祀儀礼を承順させる
ことをいう。
それで作興・興隆の意となり、興雲・興雨といい、興会(きょうかい)・興趣
(きょうしゅ)の意となる。
[礼記(らいき)、文王世子]に「器を興(きん)する幣を用ふ」の興は釁(きん)
の意。
興がもと釁礼と同じ儀礼を意味したので、通用する。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「興」は「酒器である同を上下より持つ形」を表した字だったのですね。
そして「地霊を祀るとき、大地に酒をふり注いで地霊に気づかせ、地霊を呼び起こす儀礼」
を「興」といったのですね。
地霊をよび興すことから「おこす」の意味となり、地霊がめざめることから、すべてのもの
が「おこる、はじまる、おこなう、さかんになる、おもむき」の意味となるのですね。
さて今日の一枚は・・・
最寄りのバス停まで行く途中に可愛い花が咲いていました。
ツツジの仲間だと思うのですが・・・
ということで、調べてみました。
おそらく「ホンコンドウダン(香港満天星)」だと思います。
可愛い花です。
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