六書 1.象形
説文解字の「叙」では・・・
[画(えが)いて其の物を成し、体に随(したが)って詰屈(きっくつ)す。「日・月」是なり。]
とあります。
「物の形を画きとり、状態に合わせて詰めたり曲げたりする」こととする。
では具体的に「日」と「月」の字の解説を見ると・・・
日 実(みち)る。太陽の精は欠けず。〇、一に従う。象形(7上)
月 闕(か)く。太陰の精。象形(7上)
「日(じつ)」と「実(じつ)」、「月(げつ)」と「闕(けつ)」という字音の繋がりを
用いて「日」→「実(=満ちる)」、「月」→「闕(=欠ける)」という字義を説いている。
(漢字総論Ⅱ)より
その外には
合 「白川文字学」では神への祈りの文である祝詞を入れる器の形の「口(さい)」の上に
深く蓋をしている形。器と蓋が「あう」意
「説文」では「口を合わせるなり」とし、上を「亼(しゅう)」にして集、多くの口(意見)
が集まり合う意とする。
才 標木(しめぎ。しるしの木)として樹(た)てた榜示(立札で示す)用の木の形。
古い字形では、上部の一の部分が「口(さい)」の形にしるされており、「口(さい)」に
よってその場所が聖化されるので、神聖な場所として「ある」ことを表示する。
日本には柴を刺し、神の降り来る祭場を聖化する柴刺し(しばさし)の習俗がある。
人 立っている人の側身形(横から見た形)
元 人の首の部分を大きな形で示し、その下に人の側身形を加える。
人の首を強調した形で首の意。
大 手足を広げた人の正面形。
天 大の上に大きな頭を付けた形。人の頭によって天空(そら)の意とした。
央 首に枷(かせ、刑罰の道具)を加えた人の正面形。
体の中央に近い首に加える刑罰であるから、まんなかの意となる。
殃(わざわい)の初文。
交 人が足を組んで立っている形。足を組むことから、まじわる。とりかわす、
かわすの意味に用いる。
女 女子が、跪(ひざまず)いて坐る形。手を前の交え、裾を押さえるように跪く形。
中略・・神霊に仕えるときの女の姿であり、男の前で跪いている姿ではない。
令 深い儀礼用の冠・帽子をつけて、跪いて神意・神のお告げを聞く人の形。
令は神のお告げの意。のち天子や上位の人のみことのり、いいつけの意となる。
神に祈って、神のお告げとして与えられるものを命(おつげ、いのち)という。
人のいのちは天から与えられたもの、神のおおせであると考えた。
ちなみに命は(令+口(さい))です。
などなど・・・
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