新*今日の漢字* 「秋」
夜からでしょうか、雨が降ったりやんだりしています。
今はちょっと強めに降りつつ、雷の音が響いています。
柿の実も本格的に色づいてきたのでしょうか、柿色の実が増えました。
では・・・
新*今日の漢字*
「秋」 音読み シュウ 訓読み あき
画数 9画 部首 禾(のぎへん)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は「しゅう」(龝+龜の下に灬)に作り、禾(か)と龜(き(亀))と火(灬)
とを組み合わせた形。
禾はいね、穀物で、龜の部分はいなごなどの虫の形。秋になるといなごなどが大発生して
穀物を食い、被害を受けるので、いなごなどの虫を火で焼き殺し、豊作を祈る儀礼をした
のであろう。
その儀礼を示す字がは「しゅう」(龝+龜の下に灬)で、「みのり」の意味となる。
のち虫の形の龜を省略して火だけを残し、秋となった。
甲骨文字に虫の類を火で焼く形の字があるが、この儀礼と関係があろう。
この儀礼は秋の虫害に関係があるので、季節の「あき」の意味に用いられるようになった
のであろう。
甲骨文字には四季の名をの春・夏・秋・冬を示す資料はない。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 正字は「しゅう」(龝+龜の下に灬)に作り、禾(か)と龜(き(亀))と火とに従う。
龜の形に写した字は、虫害をなす螟(めい)「とく」(縢の糸の代わりに虫)(ずいむし
と、はくいむし)の形で、それを火で焼く形である。
[説文]七上 に「禾穀(くわこく)孰(じゅく(熟))するなり」とする。
卜辞中に四季の名を確かめうる資料がなく、漢碑(かんぴ)に籀文(ちゅうぶん)の字形
がみえるが、季名であるのかどうか定めがたい。
古くは穀熟の意に用い、[書、盤庚(ばんこう)、上]に「農、田に服し稷(しょく)に
力(つと)むるときは、乃(すなわ)ち亦秋(みのり)有り」のようにいう。
豊凶は人の死命を制するものであるから、最も重要な時期を秋という。
諸葛亮(しょかつりょう)の[出師の表]に「此れ誠に危急存亡の秋(とき)なり」の文が
ある。
秋には清爽(せいそう)にして、寂寞(せきばく)、万物が衰えはじめるときである
から、秋髪・秋士・秋思など、失意や衰残の意を含めて用いることが多い。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
もともとの豊作を祈る儀礼の形は日本でも「虫追い」や「虫送り」といわれる行事が残っている地域のありますね。
農業をする人々にとって大切な行事だったと思います。
そしてその後の豊かな実りの象徴だった秋の字を季節にあてはめたのでしょうか。
では今日の一枚は・・・
我が家でも実りの秋ででしょうか。
もう「虫あかるみ」では無いような気がします。
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