新*今日の漢字* 「春」
今日は通常通り娘の仕事の間、外孫を預かりました。
先日まで開けることのできなかった、仏壇の引き戸を今日は開けることができるようになりました。
日進月歩いえいえ日進週歩ぐらいの勢いの成長です。
それに比べて私はできなくなることが増えていくことでしょう、進まなくても留まれれば良いかな?思います。
では・・・
新*今日の漢字*
「春」 音読み シュン 訓読み はる
画数 9画 部首 日(ひ)
では常用字解で調べてみましょう。
形声 もとの字は「しゅん」(くさかんむり+旾)に作り、音符は屯(とん)。
屯に純(もっぱら)の音がある。
屯は織物の縁(へり)の糸を結びとめた房飾りの形で、純のもとの字である。
編み糸の末端を結びとめた形は冬となる。
屯は織物の縁の糸を結びとめた房飾りの形であるが、この字の中では寒い冬の間、
閉じ込められた草の根を意味している。
それが日の光を受けてようやく芽を出そうとする意味で、艸(くさ(草))を加えて
「しゅん」(くさかんむり+旾)となる。
春になると虫が動き出すので蠢(しゅん(うごめく))という。
甲骨文字には四季の名を確かめる資料がなく、二千数百年前の金文に至って、春のもとの
字の「しゅん」(くさかんむり+旾)が現れる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 正字は「しゅん」(くさかんむり+旾)に作り、屯(ちゅん)声。
[説文]一下 に「推なり」と訓し、字形を「日と艸(くさ)と屯とに從ひ、屯(ちゅん)
の亦聲(えきせい)なり」(段注本)とする。
屯を亦声(えきせい)とするのは、屯を草木初生のとき、屯蹇(ちゅんけん(のび
なやむ))の象とみるものであるが、屯は衣の純縁(へりぬい)の象であるから、
声符とみるべきである。
金文の[越王(えつおう)鐘(しょう)]「隹(こ)れ正月、王の春の丁亥(ていがい)」の
春を、屯に従う字に作る。
金文には他に[蔡侯(さいこう)鐘(しょう)][欒書缶(らんしょふ)]にその字がみえる。
「推なり」の訓は春と双声の字で、[礼記(らいき)、郷(きょう)飲酒義(いんしゅぎ)]
に「春の言爲(な)る蠢(しゅん)なり」と万物の蠢動(しゅんどう)をはじめる時期と
する。
四季の名は、西周(せいしゅう)の金文に至るもなおその徴がなく、卜辞中に四季の名に
擬せられているものは、にわかに信じがたい。
中略
春はおそらく陽光と関係のある字で、動く、かがやくの意をもつ語であろうと思われる。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
今回の「中略」の部分には信じがたいと述べている文献とそれに対する見解が書かれていました。
古い字体に含まれる「屯」は縁の糸を結びとめた房飾りの形だそうですが、それを寒い冬の間閉じ込
められた草の根にたとえていたのですね。
そして日の光を受けてようやく芽を出そうとする意味で、艸(くさ(草))をつけて春のもとに字が
生まれたわけですね。
そうそう、不思議なことにもう一つの四季の漢字「冬」が編み糸の末端を結びとめた形として出てき
たのは偶然なのでしょうか。それとも・・・
では今日の一枚は・・・
このドウダンツツジに巻き付いた龍(?)のような形のものは何だと思いますか?
実はカラスウリの茎が肥大しているのです。
調べましたところ「ウリウロコタマバエ」が寄生して作る「虫こぶ」だそうです。
龍が身をくねらせているように見えて、そのまま取り除かずにいます。
来年のドウダンツツジの花付きに影響が出るでしょうか。
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