新＊今日の漢字＊　「書」

今日は下の孫の幼稚園で「ほのぼの会」という祖父母限定のプチ学芸会のような催しがありました。

歩いて5分かからない幼稚園ですが、なるべく前の方で観たかったので早めに家を出ました。

しばらく並んで会場へ入ると前の中央付近の席は前の部からの居残りの方が占めていました。

それでも前から2番目の舞台に向かって右側の一番中央寄りの席に座りました。

いざ孫が出てきたら、中央寄り左側に並んでいて、孫も一生懸命に探してくれているのですが、目が合いません。

祖父母は６０人ぐらいの中から孫を探しますが、孫たちは２００人以上の中から祖父母を探さなければなりません。

歌が終わり、席を立ってもよい段階になって、中央へ行かせてもらい小さな声で呼びかけること数分

やっと涙目の孫と目が合いました。

めでたしめでたしでした。

では・・・

新＊今日の漢字＊

「書」　音読み　　ショ　　　訓読み　　か（く）

　　　　画数　　　１０画　　　部首　　日（ひらび　いわく）

では常用字解で調べてみましょう。

　　会意　聿（いつ）と者とを組み合わせた形。

　　　　　聿は筆を手（又（ゆう））に持つ形で、筆をいう。

　　　　　者は曰（えつ（神への祈りの文である祝詞を入れる器である口（さい）の中に祝詞が

　　　　　ある形））の上に木の枝を重ね、土をかけてお土居（どい（土の垣、土塁））を作る形で

　　　　　お土居をいう。

　　　　　者は堵（と（かき））のもとの字。

　　　　　ふり時代には邑（ゆう（集落））の周囲をお土居で囲んで外からの侵入を防ぎ、お土居の

　　　　　中にはお札のようにして曰を埋めて呪禁（じゅきん（まじない））とした。

　　　　　そのお札にしるした神聖な文字を書という。

　　　　　のち任命の書などをいい、金文に「書を受（さづ）けて、册命（さくめい（任命））せし

　　　　　む」のようにいう。

　　　　　書はもと祭事に用いたので、書を司（つかさど）るものを書史という。

　　　　　史はもと祭りの名をいい、その記録が史となる。

　　　　　書はのち「かく、ふみ、書物、文字、手紙」の意味となり、書法（文字を書くときの一定

　　　　　の方法書き方）によって書かれた字である書道の意味となる。

　　　　　書道は東洋の特異な芸術の分野である。

（白川静　常用字解　平凡社）より

次に字統を調べてみました。

　　会意　聿（いつ）と者とに従う。

　　　　　[説文]三下　に「著（あら）はすなり」と書・著の畳韻を以て訓し、者（しゃ）声の字と

　　　　　するが、書の実態はこの者にあるもので、会意とするべきである。

　　　　　聿は筆。　者は祝禱を収めた器である曰（えつ）を土中に埋め、その上を小枝や土で覆う

　　　　　形で、聚落（しゅうらく）の周囲にめぐらしたお土居（どい）・土塁をいい、堵（と）の

　　　　　初文である。

　　　　　お土居の中に呪禁として曰を埋めた。

　　　　　その呪能によって、外部からの邪悪なものを途絶しうるとしたのである。

　　　　　その祝禱を納めた器の中に書かれた呪符の文、呪禁としてしるした神聖な文字を書と

　　　　　いう。

　　　　　すなわち書とは呪禁として用いる文字、祝詞（のりと）をいう。

　　　　　文字には呪能があり、祝詞のもつ言霊的な力は、ここに安定的に宿るものとされた。

　　　　　文字は言霊をその形のうちに定着させる力を持つと考えられたのである。

　　　　　のち重要な盟誓や案件をしるすこと、またしるしたものを書という。

　　　　　金文の[師き（旗の其を斤に代える）鼎（てい）]「弘（人名）以て中（人名）に告げて

　　　　　書せしむ」、

　　　　　中略　　　のように、重要な問題を記録した文書、或いは任命賜与の文書を書という。

　　　　　これを掌（つかさど）るものに書史があった。

　　　　　祭祀（さいし）的な文章が、なお主要なものであったらである。

　　　　　のち文字・書冊の意味となり、書はその国の文化を担うものとなった。

　　　　　また特に書法を書といい、東洋の芸術に重要な一分野をなしている。

　　　　　わが国では書道という。

（白川静　新訂　字統（普及版）　平凡社）より

書はただ書けばよいものでは無かったのですね。

集落を守るための祈りを込めた祝詞など神聖な文字だったり、任命書だったり重要なものだった

のですね。

書道までは言いませんが、心を込めて丁寧に書くことを心がけようと思いました。

では今日の一枚は・・・

我が家の庭に遊びに来る子猫を撮ろうと家の中から苦労していたら・・・

母猫が気が付いたらしく、「何してるの！」と言わんばかりの厳しい目をして間に入りました。

一応、人間の言葉で「可愛いから写真を撮ろうと思っただけよ。」と伝えましたが、どうでしょう。