新*今日の漢字* 「布」
梅雨ですから仕方がありませんが、うすら寒い雨模様です。
では・・・
新*今日の漢字*
「布」 音読み フ 訓読み
画数 5画 部首 巾
では常用字解で調べてみましょう。
形声 もとの字は ふ(上下に父+巾)に作り、音符は父(ふ)。
[説文(せつもん)]七下 に「あさ(上下に台+木)の織(おりもの)なり」とあ
り、麻で織った「ぬの」をいう。
古くは木綿がなく、麻が織物の主要原料であった。
木綿は南方が原産であるので、のち移入されたのである。
中国古代には青銅製の貨幣の一つに農具の鋤(すき)の形をした布銭があった。
[詩経(しきょう)、衛風、氓(ぼう)]に「布(ふ)を抱(いだ)きて絲(い
と)を貿(か)ふ」(布をかかえて来て絹糸を買う)とあり、そのような行商人
がいた。
敷と通じて「しく、ひろげる、つらねる」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 古い字形は斧(ふ)に作り、声符は父(ふ)。
[説文]七下 に「あさ(上下に台+木)の織(おりもの)なり」とあり、
(上下に台+木)麻(しま(大麻))で作った布をいう。
[段注]に「古者(いにしへ)には今の木綿布(もめんふ)無し、但(ただ)麻布及
び葛布(かっぷ)があるのみ」とする。
金文の[守宮盤(しゅきゅうばん)]の賜与に「毳布(ぜいふ)三」とあり、行商人
が織物をもって、その原糸を買いにまわることをいう。
毛や絹を布にしたものがあった。
布は対価交換の品とされ、のち銭貨が行われるようになっても、布銭の名が用い
られた。
税を布をもって納めるので、[孟子、公孫丑(こうそんちゅう)、上]「廛(てん
(店))の夫里(ふり)の布(ふ(人頭税と地税))無し」のように、税の意が
ある。
布はまた敷と通用し、布政・布化のように用いる。
布は巻舒(かんじょ)しうるものであるから、敷・普と声義の通ずるところが
ある。
布衣(ふい)は粗衣、身分のないものを布衣という。
わが国では布衣(ほい)とよむ。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「布」はもともとは「麻布」のことだったのですね。
そして「布」は対価交換の品物だったので、貨幣ができた後も「布銭」という名の「鋤」の
形をした貨幣があったのですね。
敷・普と通じて「しく、ひろげる、つらねる」の意味にも用いられるのですね。
さて今日の一枚は・・・
またまたピンボケですが・・・
梅雨の定番「でんでん虫のカタツムリ」です。
大きく写っている葉っぱはブルーベリーの葉で長さ約4cmです。
カタツムリは1cm足らずの小さな子です。
小さくても家を持っているなんて、大したものです。
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