新*今日の漢字* 「土」
日差しのせいでしょうか、気温が上がり、一階は少し蒸し暑くなっています。
上階の私の部屋は開け放した窓から風が自由自在に吹き込んで涼しいのですが、
寝る前の床掃除が必須のようです。
では・・・
新*今日の漢字*
「土」 音読み ド ト 訓読み つち
画数 3画 部首 土
では常用字解で調べてみましょう。
象形 丸めた土を台上に置く形。
土をたて長の饅頭形にかためて台上に置いた形で、これを土地の神(土主)とした。
甲骨文字には土主に酒をふりかけている字形があるが、土地の神に清めの酒をふりかけて
拝んだのである。
土主のあるところが「やしろ」(神を祭る所)とされたので、「土」は社(やしろ)の
もとの字であり、土(ど)は古くは社(しゃ)の音でよまれた。
甲骨文では土は社の意味に使用しているが、土が「つち、つちくれ、大地」の意味に
使用されるようになって、土に示(神を祭るときに使う机である祭卓の形)をそえた
社がもとの「やしろ」の字として使われるようになった。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 土をまるめて台の上に置く形。
土主(土地神)の形で、土が社の初文。
[説文]十三下 に「地の萬物を吐生する者なり」(小徐本)とし、
地中よりものを生み出す形とする。
土と吐と畳韻をもって訓するが、土は社の初文で古くは社(しゃ)声と近く、
[広雅、釈言]に「土は瀉(しゃ)なり」とする。
[説文]二上 も吐に「寫(そそ)ぐなり」と訓しており、寫(写)・瀉の声を
もって訓とする。
卜文の字形は土饅頭形(どまんじゅうがた)に作り、その上に小点を注ぐ形に
作るものが多いのは、これに酒を灌(そそ)いで祼鬯(かんちょう)の儀礼を行うことを
示すものであろう。
卜辞に唐土・圃土(ほど)・毫土(はくど)とみえるものは、みな社の意。
そこで重要な祭祀や儀礼が行われている。
殷の王畿はまた東土・西土など四方の土に区分され、そこで受年(豊作)などを卜して
いることが多い。
その土は社を中心とする経営地として、王室の直轄に属したものであろう。
田土の開発を圣田(こつでん)とよぶが、圣は土主を手(又(ゆう))で奉ずる
かたちで、その土主を奉じて地霊を祀(まつ)り、新しい農耕地が営まれるのである。
わが国で、新しい開墾の地に儿社を迎えるのと同じ。
土とはそのような経営地をいう。
金文の[宜侯夨き(ぎこうそくき)]は周初の封建のことをしるすものであるが、
「土を賜う」として邑三十五、農耕に従う鬲(れき(奴隷身分のもの))千五十夫、
宜(ぎ(地名))の庶人六百数十夫を与えている。
その儀礼は、宜の社において行われた。
土は社主。
社の支配する領域を土(くに)という。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
まずは土は土地の神(土主)のことだったのですね。
そして、土の字は「社(やしろ)」のもとの字だったのですが、「つち、つちくれ、大地」の意味に
使用されるようになって、「神を祭るときに使う机である祭卓の形」の示をつけて、
ただの「土」と土地の神の「社」が作られたのですね。
字統の方にはさらに、社を中心とする農耕の経営地や領土(くに)の意味にまで使われていたことが
書かれていますね。
*「土が「神を祭るときに使う机である祭卓の形」の示をつけて社になる。」
この方式がよくあるのです。
神も元々は申という字だったそうですが、「もうす」の意味が使われるようになり、
示をつけて神となったそうです。
ちなみに。この「申」という字は雷を表しているそうです。
では今日の一枚は・・・
庭の野菜シリーズです。
ナスです。
ぬか漬けにするのはやっぱり採れたてのナスに限ります。
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