新*今日の漢字* 「年」
今日は時折日差しもあって、過ごしやすい一日でした。
では・・・
新*今日の漢字*
「年」 音読み ネン 訓読み とし
画数 6画 部首 干(かん・いちじゅう)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 禾(か)と人とを組み合わせた形。
禾は禾(いね)の形をした被り物で、稲魂(いなだま(稲に宿る神霊))の象徴で
あろう。
田植えのとき、豊かな稔りを願って田の舞をする男の人の形を年といい、
「とし」の意味となる。
甲骨文に「年(みのり)を受(授)けられんか」と占う例が多い。
禾を頭に被って低い姿勢でしなやかに舞う女の姿は委で、豊年を祈って
男女二人が舞い祈った。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 禾と人に従う。
禾は禾形の被りもの、それを被って男の人が舞う形で、祈年(としごい)のための
農耕儀礼を示す字である。
禾は稲魂(いなだま)のような穀霊とみてよく、同じくこの穀霊に扮して舞う女の姿を
委という。
年と委とは、穀霊に扮して舞う男女の姿を写した字である。
[説文]七上 に「黒、孰(じゅく(熟))するなり」とするのは稔(ねん)の訓。
また字を千(せん)声とするが、卜文・金文の字形は株を人の側身形に作り、千の
字形ではない。
春秋期に至って、初めて人の下部に肥点を加えているのは、そのころ千を声符とする
意識を生じたのであろうが、千は清母(せいぼ)の字でnと互通する例はなく、
字はもと会意。
年と委とは男女の田舞の姿である。
中略
殷はその一年を祭祀体系の一巡する期間に合わせて祀(し)と称したが、
周は禾が一年に一度稔ることをもって年を数えた。
卜辞にも年を稔の意に用い、「年(みのり)を受(さず)けられんか」
「黍年(しょねん)を受(さず)けられんか」のように卜することが多い。
一年の長さは月の盈虚(えいきょ)によって数えるので、三百五十五日前後と
なり、それで卜辞には十三月ということが多い。
後略
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
年は豊作を祈る男の人の舞の姿だったのですね。
ちなみに女の人の舞う姿は委、こちらの方が禾をのせた女の姿のままですね。
豊作を祈る形の文字が一年を表す文字となる、さすが農耕民族ですね。
では今日の一枚は・・・
百合のつぼみです。
もう、我が家に来て何年経つでしょう。
買った頃は一本だけだったと思うのですが、毎年律儀に1個2個3個と花をつけてくれます。
今年は2個のようです。
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