新*今日の漢字* 「文」
今日の漢字の「文」という字が名前に入っていまして・・・
以前親に「なぜこういう名前にしたのか」と聞いたところ。
「長生きするようにつけてもらた。」との返事がありました。
では、謎解きができができるでしょうか?・・・
新*今日の漢字*
「文」 音読み ブン モン 訓読み ふみ
画数 4画 部首 文
では常用字解で調べてみましょう。
象形 文身(入れ墨)の形。
正面を向いて立つ人の胸部に、心・×・vなどの形の入れ墨を書き加える。
おそらく使者の胸に呪飾(まじないの飾り)として朱色などで一時的に描いたもので
死者の霊が屍体からだ出するのを防いで死者の復活を願い、また外からの邪霊が
憑(よ)李就くことを防ぐ意味のものであろう。
旧字の産・彦(げん)には文「が含まれるが、産は生まれた時の生子儀礼を示し、
彦(ひこ)は文と厂(かん)と彡(さん)とを組み合わせた形で、
額(厂)に美しい文身を加えて、一定の年齢に達した男子の通過儀礼を示す。
死んだ婦人の左右の乳房に邪悪な霊が憑(よ)りつくことを祓うために、
り形(×のような形を横に2個、縦に2個重ねた形)の文身を鮮やかな朱色で描いた形が
爽(そう(あきらか))・爾(じ(うつくしい))・奭(せき(あきらか))で
文身の鮮やかなことをいう。
爽の上半身の形が爾である。
それで文は美しくかざった「あや、もよう、いろどり、かざり」の意味となる。
美しい色や形を示す記号のような文字の彡を加えた彣(ぶん(あや))は、
入れ墨を加える針の先に墨だまりのある形が章(あや、もよう。また文字を連ねて
まとまった思想を表現したもの)という。
また文字(字。ふみ。またことば。もんじともよむ)のように用い、
「もじ、ふみ、ことば」の意味に使う。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 文身(いれずみ)の形。
卜文・金文の字形は人の正面形の胸部に文身の模様を加えた形。
聖化のために、朱などで文身を加える文身をいう。
[説文]九上 に「錯(まじ)われる畫(くわく)なり。交文に象る」とし、
その全体を交錯する線と解するが、字の全体は人の正面形であり、
大にくらべて胸郭の部分をひろくしている。
卜文・金文の字形は、そこに×形・v形や心字形の模様を加える。
[書、大誥(たいこう)]に「前寧人」「寧主」の語があり、それは金文に
「前文人」「文(ぶん)王」という語にあたる。
金文の文に模様として心字形が加えられているため、後の伝承者が誤って
その「文」を「寧」と釈し、ついに語義不明の「前寧人」「寧王」となったもので
もとは文の字である。
文は祭事に文祖、文考、文母のように先人に冠していう語で、文とは死者のいわば
聖記号である。
死葬のとき、呪飾として朱色をもって胸にその絵身(かいしん)を加え屍体を聖化し、
祀るときには文を冠してよんだ。
婦人の・・・中略・・・
死葬のときのみでなく、例えば出生のとき、・・・中略・・・
文身は・・・文字が成立したころ、殷にもその習俗があり、貴顕のものより一般の人に
及ぶまで、一様に行われていたものと考えられる。
中略
わが国の古俗にもその風があったことは[後漢書、東夷伝(とういでん)]にみえ、
東南アジアの諸族の間には、のちまでも永くその俗が伝えられた。
後略
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
長いですね、文のもととなった文身は出生時やある年齢になったときの通過儀礼としてや
死者を邪霊から守ったり、身を守るために使われていたようですね。
始めて調べた時に「長生きするように付けてもらった」という、謎が解けました。
遅くなりましたので今日の一枚はお休みにします。
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