新*今日の漢字* 「名」
朝方は降っていなかった雨が降り始めました。
大雨を知らせる情報も入ってきました。
では・・・
新*今日の漢字*
「名」 音読み メイ ミョウ 訓読み な
画数 6画 部首 口
では常用字解で調べてみましょう。
会意 夕と口とを組み合わせた形。
夕は肉の省略形。口は「さい」で神への祈りの文である祝詞を入れる器の形。
子どもが生まれて一定期間過ぎると、祖先を祭る廟(みたまや)に祭肉を供え、
祝詞をあげて子どもの成長を告げる「名」という儀礼を行う。
そのとき、名をつけたので、「な、なづける」の意味となる。
また名声(よい評判、ほまれ)・名望(名声と人望)のように、「ほまれ」の
意味にも用いる。
子どもが生まれて一定の日数が過ぎて、養育の見込みが立つと、廟に出生を報告する
儀礼を行い、幼名をつける。
それを小字(しょうじ)・字(あざな)といい、さらに一定期間すぎると廟に成長を
告げ、命名の義例を行うのである。
また実名を呼ぶことを避けるために、名と何等かの関係のある文字が選ばれて
字(あざな)がつけられ、通名として使用した。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 夕と口とに従う。夕は祭肉の形。口は祝祷(しゅくとう)を収める器の形である「さい」
子が生まれて三月になると、家廟に告げる儀礼が行われる。
このとき名をつけ、はじめて家族の一員となる。
[説文]二上 に「自ら命(ない)ふなり。口に從ひ、夕に從ふ。夕なる者は冥(めい)
なり。暗くして相見えず。故に口を以て自ら名いふ」とするが、は
金文の字形では上部は祭肉の形。下は祝祷の器の形である。多は多肉の形。
「祭」は祭卓に牲肉を供えて祭る意で、夕はその肉の形。
[礼記(らいき)内則]に生子の礼を詳しく記しており、「世子(せいし(世継ぎ))
生まるるときは、則ち君沐浴して朝服す。夫人も亦(また)之(かく)の如くす。
皆阼階(そかい(東階))に立ちて西郷(せいきゃう(嚮(きょう))す。世婦、
子を抱き、西階(客階)より升(のぼ)る。君、之(これ)に名づけて、乃(すなわ)
ち降る。」とあるが、これは後世の略礼であろう。
生まれてまず廟に告げ、字(あざな)をつける。いわゆる小字である。
一定期間を過ぎて命名の儀を行い、さらに冠礼のときに字(あざな)をつけるのが
定めであった。
名命は祖廟の前で行われ、加入儀礼としての意味をもつ。
名はそのまま実体に他ならなぬものであるから、字(あざな)をつけてよび、実名を
忌避する。
わが国の王朝の女房たちが、実名を用いないのと同じである。
名実という考え方から名分の意が生まれ、また名声、名流、さらに名作・名品などの
意となる。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
古い時代の中国では実の名前は家族やごく親しい人しか呼ばなかったようで、
その他の人は字(あざな)を呼んでいたのですね。
それほど名前とは大切なものだったのですね。
では今日の一枚は・・・
隣の家との境の崖に以前から生えていた木に花が咲きました。
なんの木か分かりませんが、よく見れば、かわいい花です。
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