新*今日の漢字* 「力」
今日は実家に行ってきました。
実家の姉は数年前にリンパ腫になり、2度の闘病生活の後の緩解中です。
90歳を超える母は認知症があり、車いす生活なので施設に預かってもらっています。
まず姉のところに行き、よもやま話に花を咲かせてから、母の施設へ向かいます。
施設への道すがら、我が家の近所にも負けない豊かな自然があり、
辺りを眺めながらそこそこの坂道を10分ぐらい登っていきました。
では・・・
新*今日の漢字*
「力」 音読み リョク リキ 訓読み ちから
画数 2画 部首 力
では常用字解で調べてみましょう。
象形 すきの形。
[説文]十三下 に人の筋(肉の中のすじ)の形とするが、
耒(すき)の形である。
耒(らい)は力(りょく(すき))と又 (ゆう)とを組み合わせた形で、
力(すき)を手(又)に持つ形。
加・嘉・劾・勧・協・勤・功・助・勢・静(靜)・努・動・勉・励・労の字に
含まれる力はみな耒の形である。
耒を使って田畑を耕すことは多くの労力を要することであったから、
「ちから、はたらき、つとめる、はげむ」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 すきの形。
[説文]十三下 に「筋なり。人の筋の形に象る。功を治むるを力と曰ふ。能(よ)く
大災を禦(ふせ)ぐ」(段注本)という。
筋字条四下 に「肉の力なり」とあり、力を筋肉の力と解するが、字は耒(すき)の形で
耒(らい)は力(すき)を手(又(ゆう))に持つ形。
加・嘉・静(靜)はみな力(すき)を清める儀礼をいい、耤(せき)の古い字形は
耒に足をかけて踏み耕す形である。
それらの卜文・金文の字形によって、その意象を確かめることができる。
[書、盤庚(ばんこう)上]「農の田に服し穡(しょく)に力(つと)め、
乃(すなわ)ち、亦(また)秋(みのり)有るが若(ごと)し」のように、
もと農耕のことをいう字。
のち金文の[叔夷鎛(しゅくいはく)]に「霊力あること虎の若(ごと)し」のように
用いる。
農耕のことは最も力を要することであり、ゆえに力田といい、役務に及ぼして
労役を力役という。
金力・権力は本来の意味での力ではない。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
甲骨文字や金文の形を見ると簡単に書いたフォークのように下の方が3本に分かれていたりします。
この農具であるすき(力)がその仕事の内容や重要性からさらなる意味をもって「ちから」へと
変わってきたのですね。
遅くなってしまいましたので、母のところへ行く道すがら見つけた植物の写真は
また明日アップします。
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