新*今日の漢字* 「古」
朝のうち曇っていましたが、今は暑い日差しが降りそそいでいます。
朝7時過ぎからお墓掃除に行ってきました。
我が家の方にはお墓の立地による呼び方が3種類あります。
昔からの大きなお宅は自宅または畑の端にお墓があることがあります。
これを家墓(いえばか)といいます。
次に檀家となっているお寺にお墓がある家があります。
これを寺墓(てらばか)といいます。
そして、地域の有志が土地を提供してお寺さんに関係なく何十軒かの家のお墓が集まっている場所を
地域墓(ちいきばか)といいます。
我が家のお墓は最後の地域墓で日にちを決めて年に3回みんなでお掃除をします。
ちなみにその場所に閻魔大王のような王が10体収められた十王堂もあります。
古い話でしたが、では・・・
新*今日の漢字*
「古」 音読み コ 訓読み ふる(い す)
画数 5画 部首 口
では常用字解で調べてみましょう。
会意 十と口とを組み合わせた形。
十は長方形の干(たて)の形。口は「さい」で、神への祈りの文である祝詞を入れる器
の形。
この器の上に聖器としての干を置いて口(さい)を守り、祈りの効果を長い間保たせる
ことを古といい、「ふるくからのもの、ふるい、むかし、いにしえ」の意味となる。
古に囗(かこい)を加え、祈りの効果を守りかためるのが固(かたい)である。
古に打つという意味の攴(攵)を加えるのは、祈りの効果をことさらに(わざと)害する
ことであるから故(ことさら)という。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 十と口に従う。十は長方形の干(たて)の形。口は「さい」で祝禱の器の形であり、
中に祝禱の詞を収める。
この祝祷の効果を維持するためには、これを安全に護ることが必要であり、それで
器上に聖器としての干(たて)をおいた。
なお厳重に守護する必要がある時は、さらに外囲を加えた。これを固という。
祝詞(のりと)の呪能(じゅのう)は、これによって十分に期待することができる。
もし祝祷の器に対して、例えば舍(舎)・害のように把手(とって)のある大きな針で
これに刺割が加えられると、その呪能は舎(す)てられ、害されるである。
これに反して、聖器としての鉞(まさかり)で護られる字は吉で固く詰め護る意である。
古は固閉されている祝禱は、先例としての典故・規範として遵用されるものであり、
ゆえに往古・先古の意よりして、故事・典故の意となる。
近年出土金文[史牆盤(ししょうばん)]に「日古文王(古に日(したが)う文王)」の語が
あり、故事・典故の伝承者というほどの意であろう。
先例に準拠することから「故に」の意となる。
金文では古の字を故の意に使い[大盂鼎(だいうてい)]に「古(ゆゑ)に天、翼臨して
子(いつく)しむ」
中略
[説文]三上 に「故なり」と訓し、字を「十と口に從ふ」と解し「前言を識る者なり」
とする。
[説文]は十人がそれぞれ口を以て相伝承すると解するもので、全くの俗説である。
また重文としてあげる古文の字形は廟中における儀礼の意を加えたもので、その廷前に
祝禱をおく形とみられるのであるが、祝禱はこのように聖器で護られることによって、
その呪能を発揮することができた。
卜辞に「貞(と)ふ。王の舌を疾(や)めるは、隹(こ)れ古(こと)あるか」と卜する
ものがあり、古とは祝禱による呪詛などを意味するものであろう。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
祈りの文を入れた口(さい)の上に干(たて)を置いて、祈りの効果を長持ちさせるための文字
だったのですね。
固く護られた祝禱は、先例として典故・規範として尊重され、 故事・典故の意となるのですね。
台風が3時半頃和歌山にじょうりくしたそうですが、川崎はまだ雨も降っていません。
暗くなってから雨風が強くなるのでしょうか。
では今日の一枚は・・・
数年前にご近所から頂いた、セージです。
農家ことばで「悪党」といわれたこのセージはとにかく丈夫でよく増える植物です。
でもこの花の色が好きなのです。
ちなみに、我が家ではプランターに植えてあるので増えすぎはしないのですが、
初めに植えてあったローズマリーは日が当たらなくなったのかだんだん細くなってきました。
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