新*今日の漢字* 「公」
昨日のお手伝いの疲れがどっと出ています。
年には勝てないようです。
では・・・
新*今日の漢字*
「公」 音読み コウ 訓読み おおやけ
画数 4画 部首 八(はち)
では常用字解で調べてみましょう。
象形 宮廷の中の儀礼を行う式場の平面形。
[韓非子、五蠹(ごと)]に「厶(わたくし(私))に背(そむ)く、之(こ)れを
公と謂(い)う」とし、[説文]もこの説をとっているが、古い字形には厶(し)の形は
含まれていない。
古い字形では広場を示す囗(い)の形の上部に左右の塀を二本の直線で示している。
ここで行われる儀礼行事が公事・公務(おおやけの仕事)である。
ここで先祖を祭り、訴訟も行われた。
宮殿や祖先を祭る廟(みたまや)の前で儀礼を行う場所を公ということから、
公は「宮殿、祖廟、きみ(人の上に立って支配する者、君主・諸侯など)」の意味と
なり、また「おおやけ」の意味となる。
さらに支配する者の考え方を公平(かたよらず、すべて同じように扱うこと)・
公正(公平で正しいこと)なものとした。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 儀礼を行う宮廷の廷前のところの平面形。
廷前の左右に障壁のある形である。
[説文]二上 に「平分なり」と公平に分配する義とし、
字形を[韓非子、五蠹(ごと)]に「厶(わたくし(私))に背く、之(これ)を
公と謂(い)ふ」とする説をとっている。
人部八上の伀(しょう)字条に「志、衆に及ぶなり」とあって、そこに公の義があると
されているが、伀はのちに作られた字で、公の初義を承けるものではない。
卜文・金文の字形は八の形に従わず、長方形の空圏(くうけん)の上に二重線を左右に
しるす。 長方形の空圏は宮室の象。
その廷前に、左右に屏障(へいしょう)を設けて儀礼を行う。
その式場の平面形が公で、公の初義は公宮。
[詩、召南、小星(しょうせい)]は祖祭りを歌うもので「夙夜(しゅくや)、公に在り」
とは公営にあって、その祭事に従うこと、 中略 公とは儀礼の行われる神聖な
斎庭(ゆにわ)である。
殷(商)の神都天邑商(てんゆうしょう)に公営がある。
そのような宮廟に祭られる人を公といったのであろう。
公営の祭場で祖霊に対して捧げる廟歌を頌(しょう)。
祖霊に対して哀告することを訟という。 中略
公私を対称するのは、従って支配者とその服属者という関係である。
中略 私とは非独立的なものである。私を支配する者は公、公とは族長領主をいう。
公営はその氏族の宮廟であり、その祭祀権(さいしけん)をもつ公が、またそこに
祭られるべき人であった。
氏族は共同体的性格を持つものであるから、そこから公共の意となり、官府の意となり、
公私は官民という関係となる。
氏族共同体のなかでの用語が、政治的行政的関係にそのまま移行したのである。
公義・公正とはそのような支配者の理論であり、それは征服を意味する正が中正・正義の
意味に用いられるのと同じ。
これに対して私には私曲・私窃(しせつ)の意があるが、孔子は本来支配関係の語で
正邪の意味をもつものではない。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
昨日と今日とはとても長い解説でしたので、一部引用を省略しました。
公は今では政府のような公的機関のことですが、もともとは支配者とその服属者という関係のこと
だったのですね。
これも長い時の流れの間に少しずつ意味合いが変わってきたものの一つでしょうか。
公が昔のように支配者のような態度を示さないようにしていただきたいものです。
さあ、昨日のイベントも終わり、我が家はお盆の準備に突入です。
では今日の一枚は・・・
疲れているので癒されたい一心で以前の花の写真をアップします。
すみません、季節感も違う八重咲のカランコエです。
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