新*今日の漢字* 「高」
先ほど急に陽が差し込みましたが、一瞬のことでまたいつもの曇り空に戻りました。
では・・・
新*今日の漢字*
「高」 音読み コウ 訓読み たか たか(い まる める)
画数 10画 部首 高
では常用字解で調べてみましょう。
会意 京(けい)の省略形と口とを組み合わせた形。
口は「さい」で、神への祈りの文である祝詞を入れる器の形。
京はアーチ形の出入り口のある城門の形。
門の上に楼望(ものみやぐら)のある大きな城門である。
その城門に祝詞を供えて、悪霊などが入りこまぬようにお祓(はら)いをすることを
高という。
望楼のある大きな城門であるから、高は「たかい、おおきい、すぐれる」の意味になる。
高低(物の高いことと、低いこと)の高の意味から、場所や地位などが高いの意味となり
精神的に高尚(志が高いこと、気高く清らかなこと)の意味となる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 京(けい)の省文と口とに従う。
京は戦場の遺棄屍体(したい)を塗りこんで作ったアーチ状の凱旋門。
口は「さい」で、祝禱(しゅくとう)を収める器の形。
その門で祝禱を行うことを高という。
[説文]五下 に「崇(たか)きなり」と訓し、「臺観(だいくわん)の高きの形に象る
冂(けい)・口に從ふ。倉・舎と同意なり」と口を建物の形とするが、卜文・金文の
字形は口(さい)に従うており、そこで祝禱や盟誓・呪詛(じゅそ)を行う意であること
を示している。
上部は望楼・楼観の形で、京や亭の形と同じく、その門闕(もんけつ)のところにおいて
祝禱を加える。
門の内外を分かつところであるから、そこで悪邪を祓(はら)う侯禳(こうじょう)の
儀礼が行われた。
[周礼(しゅうらい)]には「春官、大宗伯(だいそうはく)」をはじめ、[夏官、小子]
[夏官、羊人][秋官、犬人]などにも、ひょく(畐リ畐)辜(こ)(獣皮を披(ひら)いて
城門に張り、呪禁とする)や侯禳の礼がみえ、[地官、司市]にも鞭度(べんたく(獣
などを殴(う)って祓(はら)う))のことがしるされている。
[説文] 殳(しゅ)部三下 祋(たい)字条に「城郭市里に、高く羊皮を懸(か)け、
當(まさ)に入るべからざるしては入らん欲す者有るときは、暫(しばら)く下して
牛馬を驚かす」のであるという。
高大な門闕においてそれらのことが行われるので、高大の意となり、神の近づくところで
あるから高明の意となり、金文の[秦公既(しんこうき)]では「高弘にして慶又(あ)り」
と祖霊の徳をほめる語となる。
卜文・金文では、祖より以上の人を高祖・高祖妣のようにいう。
また高尚・高貴の意となり、ひとを尊ぶときにそえる語となる。
高楼・高門の意から、すべて高大なものをいう。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
もともとは物見櫓(ものみゃぐら)のある大きな城門のところで悪霊などが入りこまぬように
お祓(はら)いをすることを高といったのですね。
それが物見櫓のあるような高い城門に意味が移り、「たかい、おおきい、りっぱ」となりました。
また、「高い低い」の高低の意味に、そして精神的に高い「高尚」へと広がっていきました。
さて、苗字で髙橋さんと高橋さんがありますね。
髙を「はしごだか」高を「くちだか」と通称としていいます。
もともと甲骨文や金文では髙(はしごだか)でしたが、許慎の説文解字の頃には高(くちだか)が
採用されましたが、書写体は髙(はしごだか)で書かれていましたが、清の康煕字典で高(くちだ
か)採用され、髙(はしごだか)は俗字扱いになったそうです。
本来の正統派は髙(はしごだか)だったはずなのですが。
では今日の一枚は・・・
6月29日にアップした、数年前に100均で購入したサンスベリア(トラノオ)の鉢の小さな芽が
大きくなりました。
この夏の天候不順で家の中の植物も 枯れたり、元気がない中、希望の植物です。
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