新*今日の漢字* 「黄」
久々に朝から陽ざしが出ています。
これもつかの間で午後には雨が降ってくるらしいです。
夏はどこへ行ってしまったのでしょう。
では・・・
新*今日の漢字*
「黄」 音読み コウ オウ 訓読み き こ
画数 11画 部首 黄(き)
では常用字解で調べてみましょう。
象形 甲骨文字の字形は火矢(ひや(火を仕掛けて射る矢))の形で、その火の光から
「き、きいろ」のいみとなるのであろう。
金文の字形は佩玉(はいぎょく(腰をしめる革帯(かわおび)につり下げた玉
(ぎょく)))の形とみられ、傍らに玉をそえた字形もあるが、それはこう(王黄)
(佩玉のたま)の象形とみてよい。
腰に帯びる佩玉の組み合わせた形があたかも黄の字形になり、またその薄いあめ色が
黄色とされた。
五行説(っぎょうせつ)では黄色は中央の色であるから、天子(君主)の位にたとえ、
黄門(宮門)のようにいう。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 卜文の形は火矢(ひや)の形にみえ、金文の字形は佩玉(はいぎょく)の衡の形の
ようである。
字に両系があるらしく、卜文の字は矢の鏃(やじり)の部分が大きくかかれ、
[易、解卦(かいか)、九二]に黄矢(こうし)の象で、黄とはその火光をいう字である。
また金文の字形は佩玉の全体形で、佩玉を金衡・朱衡・幽衡というときの衡にあたるが、
その玉色が黄に近いものであろう。
[説文]十三 は五行説をもって説き、「地の色なり」と土の色とし、字形を「田に從ひ、
炗(くわう)に從ふ。~炗は古文光なり」、すなわち田の色にして土の色であるとする。
また炗の亦声(えきせい)とするが、字の初形からいえば、火矢、すなわち黄矢の形。
長寿を金文に「黃耇吉康(こわうこうきつかう)」「眉壽(びじゅ)黃耇」のように
いい、[詩、周南、巻耳(けんじ)]に「我が馬、玄黃(げんくわう)たり」、 中略
というように、黄はもと衰老の色であった。
これを土の色とし、黄帝を五帝の中心にすえるという考え方は、すべて五行試走以来の
ものである。
田斉(でんせい)の器には黄帝を高祖とし、田氏をその子孫とする語がある。
金文の字形は佩玉の全形から出ているが、洛陽金村出土の編玉や輝(き)県から出土した
遺品の遺制から考えると、まさにその形と一致する。
これを帯に佩(お)びた形が、金文の黄の字となる。
黄金の色がこれに近く、[書、牧誓(ぼくせい)]「王、左に黃鉞(こうえつ)をつき、
右に白旄(はくぼう)を秉(と)り、以て麾(さしまね)く」とは黄金の飾りのある
鉞(まさかり)の意。
黄は中央の色で天子の位であるから、黄屋・黄門など、天子のことに関していう語が
多い。
また三歳以下を黄、十歳以下を小という。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
字形のもとの形が甲骨文字(火矢)と金文(佩玉)で違うものが同じ字として使われているのでね。
よく言葉は生きているといわれますが、遠い昔の中国では漢字も生きていて変化していたのですね。
解説の中に出てきた五行思想ですが、「古代中国に端を発する自然哲学の思想。万物は木・火・土・
金・水の5種類の元素からなるという説である。」(Wikipediaより)だそうです。
今では陰陽五行説は占いなどで知られています。
午後から雨が・・・と言われていたのですが、今のところお日様が出ています。
では今日の一枚は・・・
7月15日に花が咲き、7月29日に小さな実を付けていた金柑です。
ちょっと膨らんで、金柑らしくなってきました。
今のところたくさん実っています。
黄色くなったら金柑の甘煮を作ります。
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