新*今日の漢字* 「新」

今日は外孫を預かりました。

朝、娘の家まで迎えに行き、孫と娘を車に乗せて、最寄り駅まで娘を送ります。

普段は駅まで行く途中に孫は寝てしまうのですが、今日は道が混んでいたせいか信号で

止まってばかり、結局娘が降りるまでに寝ることができず、泣きながら我が家への家路へ。

車の中は孫の泣き声と私の子守歌が響き渡っていました。

では・・・

新*今日の漢字*

「新」 音読み  シン   訓読み  あたら(しい) あら(た) にい

    画数   13画   部首 斤(きん おのづくり)

では常用字解で調べてみましょう。

  会意 辛と木と斤(きん)とを組み合わせた形。

     辛は把手(とって)のついた大きな針。

     位牌(いはい)を作る木を選ぶとき、この針を投げて選び、針の当たった木を斤(おの)

     で切ることを新という。

     神意によってえらばれた木を新しく切り出すことで、「あたらしい、はじめ」の意味と

     なる。

     この神意による選定方法は、重要な建物建設場所を決めるとき、神聖な矢を放ってその

     到達地点を建設場所とするのに似ている。

     切り出した新しい木で位牌を作り、その位牌を見て拝む形は親で、祖先を祭る廟

     (みたまや)の中に新しく祭られる人であり、親の意味となる。

    位牌を作った残りの木は薪(たきぎ)として火祭りのときに使われた。

    国語の「あたらしい」は「あらたしい」の誤りで、「あらたしい」は「あらた(初めて

    生まれ出ること)」を形容詞とした語である。

(白川静 常用字解 平凡社)より

次に字統を調べてみました。

  会意 辛と木と斤(きん)とに従う。

     辛は大きな針。 

     新木を伐(き)るとき、木を選ぶのに矢を放ち、辛(はり)をうつなどする選木の儀礼が

     あって、神に供すべきものを定めた。

     新とは、新死者のための神位・位牌(いはい)を作るために、針をうって撰んだ木を斤

     (おの)で切り出すことをいい、その神位をもって祀られるものを親という。

     親の字形はその神位を拝する形である。

     新は[説文]十四上 に「木を取るなり」とあり、薪の義と解しているようである。

     卜辞に新廟(しんびょう)・新宗・新家などの語があるが、いずれも寝廟に関しており、

     また新鬯(しんちょう)・新射なども新旧の意で、これを薪に用いた例はない。

     [詩]に多くみえる采薪(さいしん)の俗も、神事や新婚の儀礼に関して行われており、

     その入山の儀礼に厳粛なものであった。

     [詩、小雅、伐木(ばつぼく)]は祖祭を歌うものであるが、詩の発想として伐木と鳥鳴

     とを歌う。

     鳥は鳥形霊で祖霊を暗示する。

     ゆえに伐木と鳥鳴とが祭事詩の発想とされる。

     神位を拝するのが親、金文にその字をまた寴(しん)に作る。

     宀(べん)は廟屋の屋根の方であるから、廟中に神位を拝する意。

     新もまた卜文に寴(しん)に作るものがあり、はじめて神位を置く意であろう。

     卜辞にこれを「御新」という。

     [書、金縢(きんとう)]に「予(われ)小子、新たに三王に命ぜらる」「惟(こ)れ予

     (われ)小子、其れ新たに逆(むか)へん」のように、新は神意によってことを新たに

     する意に用いる。

(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より

今回の辛(はり)も矢と同様に神意として使われていたのですね。

前々から「まき」はなぜ「薪」なのか、という疑問が今日解けました。

ただこの場合の「薪」はかまどやストーブにくべる「まき」とはちょっと違うかもしれませんね。


では今日の一枚は・・・

朝、ふと外を見ると以前紹介したカラスウリの虫こぶのニューバージョンが見えました。

贔屓(ひいき)目に見てですが、龍の形に見えませんか?

残念ながら、降り龍ですが、ひげのような蔓(つる)まであります。

ちょっとした、自然の遊び心なのでしょうか。

     

       

ケセラおばさんの日々是好日

今日の漢字での常用漢字が終わりましたので・・・ 元々大好きな、空や植物や動物を見つめて行こうと思います。

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