新*今日の漢字* 「前」
朝方は小雨もぱらつくような天気でしたが、日も差したりして落ち着いたようです。
リンパ腫の寛解中の姉からまた高野山へ行こうとお誘いがありまして・・・
早速11月に行くことになりました。
仏様が大好きな私としてはうれしいかぎりです。
では・・・
新*今日の漢字*
「前」 音読み ゼン 訓読み まえ
画数 9画 部首 リ(りっとう)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は歬(ぜん)、あるいは歬に刀を加えた形に作り、止と舟と刀とを
組み合わせた形。
止は足あとの形、舟(月)は盤の形、盤中の水で足(止)を洗い、さらに刀(
リ(りっとう))を加えて足指の爪を切り揃えることをいう。
爪を切るのは旅立ちの前や旅から帰還したときに行う穢(けが)れを祓(はら)う儀礼で
あった。
前が「すすむ、まえ」の意味に用いられるようになって、前にまた刀を加えて剪
(せん(きる))となり、手を加えて揃(せん(きりそろえる、そろえる))となった。
髪を切り揃えることを鬋(せん)という。
前はすすむ、前の意味から、時間的には「さき、むかし」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 正字は歬、あるいは歬に刀を加えた形に作り、止と舟と刀とに従う。
止は趾(あしあと)の形、舟は盤の形。
盤中の水で足を洗い、刀で足の爪を切り揃えることを示す字である。
[説文]四下 に「剪(せん)は齋(そろ)へて斷(き)るなり」とし、歬(ぜん)声の字と
するが、歬は足指の爪を切る意である。
[説文]は歬二上 に「行かずして進む。之を歬と謂ふ。止の舟上に在るに從ふ」とするが、
字形の意象を全く解しない説である。
そのため[説文]のこの系列の字形解釈はすべて一貫性を失っている。
字は足先の意から前後の意に用い、前に前(すす)む意となり、また時間の上に移して
前言・前事・前兆のようにいう。
[史記、蒙恬(もうてん)伝]に「公旦(周公)自らその爪を揃(き)り、以て河に沈む」と
あって、神に祈るとき、古くは爪をささげ、自己犠牲の意を示した。
喪礼のとき蚤(そう(爪切り))・鬋(せん(髪切り))が行われることからの、
象徴的な修祓(しゅうふつ)の儀礼である。
揃の初文は前、歬・剪・揃(せn)・湔(せん)はみな一系の字である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
もともと前は旅の前や帰還後に爪を切るけがれを祓う儀礼だったのですね。
しかし、「まえ、すすむ」の意味に使われるようになると、すでに入っている刀(リ)に加えて
もう一つの刀を加えて「剪」ができたのですね。
この「リ」のように形を変えた字が「手」や「足」でも多く出てきます。
知れば知るほど難しく、楽しそうな漢字ですね。
昨日恐竜の写真をアップしましたが、同じ場所にこんなものもありました。
では今日の一枚は・・・
恐竜の足跡ですね。
0コメント