新*今日の漢字* 「南」
今日は耳鼻咽喉科に2度目の通院でした。
声は少し出るようになりましたが、咳がなかなか止まりません。
ということで、お薬が少し変わりました。
では・・・
新*今日の漢字*
「南」 音読み ナン ナ 訓読み みなみ
画数 9画 部首 十(じゅう)
では常用字解で調べてみましょう。
象形 銅鼓の形。
古く長江中流域の武漢から湖南にかけて住んでいた苗族の使用した楽器で、底がなく、
つり下げてその鼓面を打つ。
甲骨文字には南を打つ形の「なん(南殳)」(人の名)の字がある。
上部の鐶(かん(かねの輪))に紐を通して銅鼓を上に懸けた形が南である。
苗族はこの銅鼓を今も南任(なんじん)と呼んでいる。
のちその音を借りて方位の名の「みなみ」の意味に用いる。
もと方位の名を示す字はなく、東(ひがし)・西(にし)もその字のもとの意味は関係
なく、その音のみを借りる仮借の用法である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 銅鼓の形。
南とよばれる釣鐘形式の楽器の形である。
南は古く苗族が用いた楽器で、懸繋(けんけい)してその上面を鼓(う)つ。
器は底がなく、左右の頸部(けいぶ)に鐶耳(かんじ)があり、そこに紐を通して
上に懸けると、南の字形となる。
これを打つ形は「なん(南殳)」。
卜辞の第一期、武丁(ぶてい)期の貞卜を掌るものに(南殳)という貞人があり、その
字形からも、南がのち銅鼓の形をした楽器であることが知られる。
[説文]六下 に「艸木(さうもく)、南方に至りて、枝任(しじん)あるなり」といい、
南方の草木の枝がしなやかに伸びる意であるとするが、字形において全く符合しない。
南は楽器としてその名が経籍にもみえ、[礼記(らいき)、文王世子(ぶんおうせいし)]に
「胥(しょ(官名))南を鼓す」とあり、[鄭玄(じょうげん)注]に「南夷(なんい)の
樂なり」とする。
[詩、小雅、鼓鍾(こしょう)]に「雅を以てし、南を以てす」とあり、[韓詩(かんし)
薛君章句(せつくんしょうく)]にも「南夷の樂を南と曰ふ」とみえる。
金文の[楚王鍾(そおうしょう)]に「南龢鍾(なんわしょう)」と銘するものがあるのも、
南が鍾の類の楽器であることを示すものであろう。
南はいまにいう銅鼓にあたるもので、苗族は今もその器をNan-yenという。
すなわち南任(なんじん)の音を存するものであり、[説文]が「南方枝任」をもって南を
解するのも、南任の語を分けて用いたものに外ならない。
[礼記、明堂位(めいどうい)]に四方の楽名をあげ、南方については「任(じん)は南蠻
(なんばん)の樂なり」とする。
以下略
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
東の解説にもありましたが、南もまた違う字義の文字の音だけを借りる仮借の用法だったのですね。
もともと南は底のない銅の太鼓のようなもの(南任)をつるした形だったのですね。
今でも同じような楽器が残っているというのは興味深いことですね。
病院へは行きはバスに乗って、帰りは2km弱を歩いて帰りました。
するとご褒美でしょうか、遠目には梅のような花がみえました。
近くによっても花からはなかなか判別がつきませんでしたが、木の皮をみると、桜の木の皮でした。
たくさん咲いていたので狂い咲きとも思えないので冬桜でしょうか。
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