新*今日の漢字* 「聞」
今日は以前みかんの木を買った農業祭が行われています。
最近は主人が開始早々に顔出しに伺います。
今朝自分の部屋から出る時は、何気ない朝の空だったのですが、
それから、十数分後、キッチンの窓から見た雲が輝いていたので、3階へ駆け上り写真を撮りました。
透き通るような空でした。
冬は寒いですが、空気が透き通り、空の色や星がきれいになるので好きです。
では・・・
新*今日の漢字*
「聞」 音読み ブン モン 訓読み き(く こえる)
画数 14画 部首 耳
では常用字解で調べてみましょう。
形声 音符は門。
甲骨の字形の中にはつま先で立つ人を横から見た形の上に大きな耳の形をかいて、
聞くという耳の働きを強調した形がある。
古代の人は耳には、かすかな音で示される神の声を聞く働きあると考えたのである。
神の声、神の啓示(お告げ)を聞くことができる人が聖で、聖職者をいう。
また別の甲骨の字形は口のあたりに手を近づけている形で、これは以聞(いぶん(天子
に申し上げること)の意味の字であろう。
金文の字形は爵(さかずき)に耳の形をそえている形で、神に酒を供えて祈り、神意を
聞くの意味を示す。
戦国時代(紀元前四世紀~前三世紀)に至って、音符の門(もん)を加えた聞の字形に
なった。
神の声を「きく」の意味から、すべて「きく」の意味となり、聞望・声聞(名声と人望
ほまれ)のように、「ほまれ」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 声符は門。
卜文にみえる字の初形は、挺立(ていりつ)する人の側身形の上に大きな耳をかき、
神の啓示を聞く形。
また口のあたりに手を近づけている形は以聞(いぶん)、すなわち天子に奏上する意を
示す形である。
[説文]十二上 に「聲を知るなり」(小徐本)とあり、[段注]に「往(ゆ)くを聽と曰
ひ、來(きた)るを聞と曰ふ」とするが、聽(聴)の偏の部分が、卜文の聞の初形に
あたる。
聖の初形も、卜文の聞の初形に、祝禱(しゅくとう)を収める器である口(さい)を
そえている形で、祝禱して神の啓示を持ち、神の声を聞きうるものを聖といった。
それで聞・聖・聴の字形は、もと一系に属するものである。
卜辞には聖を聴くの意に用いる例があり、「聖(き)くこと(あ)るか」「其れ聖くとこ
亡(な)きか」という聖はいずれも聴の意である。
また「三日乙酉(いついう)、夕に月に食すること(あ)り。聞せんか」は以聞、王に
奏上する意である。
卜文の聞字はすべて象形字であるが、金文に至ってに昏(こん)形を加えた字に作る。
[大盂鼎(だいうてい)]「我聞くに、殷(いん)の、命(天命)を墜(おと)せるは、
~率(ひき)ゐて酒に肄(なら)ひたればなり」の聞はこん(耳昏)に近い字形に
書かれている。
「我聞くに」は[書、周書(しゅうしょ)]の諸篇にもみえ、当時の用語であろう。
また[蔡(さい)き(皀殳)]「敢(あへ)て聞せざる有ること毋(なか)れ」は以聞の意、
[毛公鼎(もうこうてい)]「正聞唯(あ)り」、[者減鐘(しゃげんしょう)]「四方に
聞せしめん」は徳聞、徳望の著聞する意である。
金文の字形である(耳昏)は、また婚・勲(勳)・(車昏(こん))の字形と同じく、
酒爵(しゅしゃく)をあげる形であり、卜文の象形字と形が異なると同時に、その字義
内容にも、卜文の象形字と異なる要素が加わっているものとみられる。
聞をまたぶん(耳昬)に作ることがあるのは、声の誓字を求めたものであろう。
聞の字形は戦国期に至ってはじめてみえるもので、字を門声とするものである。
字形・字義の推移ともに、その声にも変化を生じたものと思われる。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
もともと「聞」という字は「神のかすかな啓示を聞く(聖)」や「天子に申し上げる(以聞)」「金
文では爵(さかずき)に耳の形をそえている形で、神意を聞くの意味」と字形が異なっていたのです
ね。
その後、音をあらわす「門」を加えて今のすべてをきく「聞」へとなったのですね。
字形・字義そして声にも変化を生じたということは、その時々で大切な字だったのではないでしょう
か。
それでは今日の一枚は・・・
今朝の空の写真です。
なんか透き通っている感じがします。
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