新*今日の漢字* 「歩」
昨夜寝る前に部屋の外を眺めると、オリオン座がきれいに見えました。
冬ですね。
では・・・
新*今日の漢字*
「歩」 音読み ホ ブ フ 訓読み ある(く) あゆ(む)
画数 8画 部首 止
では常用字解で調べてみましょう。
会意 止(足あとの形)と反対向きの足あとの形とを組み合わせた形。
足の動きを表す足あとの形を左足と右足の足あとを前後に連ねた形(甲骨・金文)、
または右足と左足の足あとの形を前後に連ねた形(甲骨)が歩で、前に「あゆむ、
あるく、ゆく、一歩」の意味となる。
足を地に接して歩くことは、その地の土地の霊に接する方法であり、重要な儀礼の式場に
向かうときは、歩いて行くのが地霊に対する礼儀であった。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 止(足あとの形)と反対向きの足あとの形とに従う。
左右の足あとの形を前後に連ねた形で、前に歩行する意を示す。
[説文]二上 に「行くなり」と訓し、行字条二下 に「人の步趨(ほすう)なり」とするが
行は十字路の象形である。
[礼記(らいき)、王制]に大尺で八尺を一歩、いまは六尺四寸であるという。
大尺とは周(しゅう)尺。
[礼記、曲礼(きょくらい)、上]「堂上には武を接し、堂下にには武を布(し)く」の武は
半歩の意で、合わせて歩武という。
堂上では徐歩し、堂下では大股で歩く。
[書、召誥(しょうこう)]に「王、朝(あした)に周(しう(宗周))より步して、則ち
豐(ほう(豊原。神都))に至る」とあり、神事的な儀礼に臨む時には、歩してその地に
赴くのが古儀であった。
卜辞にも、王の歩することを卜する例が多い。
その地を歩むということが、地霊に対する慰撫・鎮圧の意味をもつ行為であった。
その儀礼を践土(せんど)といい、わがくにでは反ぱい(門の中に下)という。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
実は、「歩」という字形ですが、古い字からひも解いていくと、下部の「少」と書かれている部分が
右の一画が少ない「步」という形が正しかったのです。
大修館書店の 「漢字文化資料館」のQ&Aにその理由がありましたので、抜粋させていただき
ました。
「当用漢字が制定されたとき、それまで複雑だった漢字の字体が簡略化されましたが(新字体)、
その中で例外的に、画数が増えた漢字がありました。その代表格が「歩」です。」
この当用漢字制定のときに字体が変わったものの一部をあげてみます。
「來→来、鐵→鉄、與→与、學→学、臺→台、氣→気、國→国、關→関、眞→真、澤→沢、鹽→塩、
櫻→桜、廣→広、邊→辺、濱→浜、寶→宝、惠→恵、齒→歯、縣→県」
(ウィキペディア「新字体」より)
見たことがる字が並んでいますね。
ではどうして簡略化されたのでしょう。
実はGHQの占領政策の影響や識字率の向上、さらには漢字廃止論や日本語表記のローマ字化
などいろいろな問題の中でわかりやすい漢字を作り上げていったのです。
長くなりました、本題にかえって・・・
歩という字は左右の足あとの形からできた漢字だったのですね。
そして、「歩く」という行為は地霊に接するという大切な行為だったのですね。
では今日の一枚は・・・
ヒョロヒョロながら頑張って咲きそうな玄関の寄せ植えのバラです。
後から植えた菊の花の勢いにも負けず(う~ん、ちょっと負けたかな?)つぼみを付けました。
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