新*今日の漢字* 「悪」
今日から三年生の漢字が始まります。
音読みのあいうえお順に並んでいるので仕方がないですが、始まりが「悪」でした。
では・・・
新*今日の漢字*
「悪」 音読み アク オ 訓読み わる(い)
画数 11画 部首 心
では常用字解で調べてみましょう。
形声 もとの字は惡に作り、音符は亞(あ)。
亞は地下の墓室の平面形。
そこは死者の住むところであるから、生きている人にとっては快い場所ではなく、忌み
謹むべき所である。
その忌み謹む思いを悪といい、「にくむ」の意味となる。
これは愛好に対する憎悪(ぞうお(にくむこと))の感情である。
のち善悪(よしあし)の「わるい」の意味となる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 旧字は惡に作り、惡(あ(亜))声。
亞は[説文]十四下 に「醜なり。人の局背の形に象る。賈侍中(かじちゅう)
(逵(き))の説に、以爲(おも)へらく、次弟(しだい)なりと」という。
徐鍇(じょかい)の[説文繋伝通論(せつおんけいでんつうろん)]に、「亞なる者は醜
なり。故に文に於て、心と亞とを惡と爲すなり」というのは、亜を背の曲がった形とする
[説文]の解を承けるものであるが、卜文・金文の亜の形は陵墓玄室の四隅をおとした平面形
である。
もし亜の意味をとるとすれば、亜は玄室の象であるから、その死喪凶礼のいを承けるもの
とするべきであろう。
死喪のときに用いる車を悪車という。
[儀礼(ぎらい)、既夕礼(きせきれい)、記]に「主人、惡車に乗る」とあり、古文の
テキストは字を堊車に作る。
それならば悪車とは白土を塗った車である。
卜文・金文にはその字形がなく、漢碑(かんぴ)には亜の部分を西や囱(そう)の形に
作ものがある。
顔之推(がんしすい)の[顔氏家訓(がんしかくん)、書証]に「惡は上に西を安(お)く」
というのは、当時行われていた字形をいうものであろう。
字は凶事に臨む心情を示すのが原意。
それより禍災・醜悪・忌諱(きき)・憎悪(ぞうお)・などの意となる。
疑問副詞の「いずくんぞ」の用法は音を仮借(かしゃ)したもので、もとその字はなく、
他に安・焉(えん)・烏(う)・於(お)などの字を用いる。
また否定的な感情を示す感動詞にも用いる。
[孟子、公孫丑(こうそんちゅう)、下]に、「惡(ああ)、是れ何の言ぞや」とみえる。
名詞・形容詞の用法ではアクの音でよみ、憎悪の意や副詞・感動詞に用いる時はオの音で
よむ。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
解説に出てきた「亞は地下の墓室の平面形」という説も白川先生の重要な説の一つです。
この説も甲骨文字が世に現れたことで解ったことなのです。
「亞」の字は甲骨文字の頃からありましたが、惡(悪)の字の甲骨文字や金文は見つかっていない
らしく、漢碑(かんぴ)には亜の部分を西や囱(そう)の形に書かれていたのですね。
しかも初めのころの意味としては「にくむ」でしたが、のち「わるい」という意味になったの
ですね。
「悪」の字は常用字解や字統の古い字体は篆文のみが載せられていました。
比較的新しい文字のようですね。
さて今日の一枚は・・・
先日義姉の家からお赤飯を頂いたお皿があったので、お返しに義姉が大好きな「鳥そぼろ」を作って
お皿を返しました。
残りの2パックは息子と娘の家にプレゼントです。
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