新*今日の漢字* 「安」
今日は朝から玄関のチャイムがよく鳴りました。
まずは農協さんが来ました。
その後、宅急便、佐川、ゆうパック、そして、野菜の直売所を3軒めぐってきた娘と外孫。
3階の片づけをしていたので、そのたびにトントントンと急ぎ足で階段を下りたので、良い運動に
なりました。
では・・・
新*今日の漢字*
「安」 音読み アン 訓読み やす(い)
画数 6画 部首 宀
では常用字解で調べてみましょう。
会意 宀(べん)と女とを組み合わせた形。
宀は祖先の霊を祭っている廟(みたまや)の屋根の形。
安は廟の中に女の人が座っている形で、嫁いできた新婦が廟にお参りしていることを
しめしている。
新妻が廟にお参りし、夫の家の祖先の霊を祭り、この家の氏族霊を受けて、夫の家の人に
なるための儀式を行っているのである。
これによって新妻は、はじめて夫の家の人として認められ、夫の家の祖先の霊に守られて
やすらかで平穏な生活ができるのである。
儀式のときに清めのためのお酒を滴(したた)らせている字形(甲骨)や新妻の裾に小さ
く線をそえた字形(金文)がある。
この線は祖先の霊を憑(よ)りつかせる(乗り移らせる)ための衣を示しており、日本の
神話にもみえる「真床襲衾(まとこおふふすま)」というもにあたる。
安は「やすらか、やすらかにする」というのがもとの意味で、値段が安いの「やすい」と
いうのは国語の使い方である。
手で押さえて落ち着けることを按(あん(おさえる))といい、廟にお参りしている女の
頭上に日(霊の力を持つ玉(ぎょく))をおいて、女の霊に力をそえている形が晏(あ
ん)で心が安らいで「たのしい、やすらか」の意味となる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 宀(べん)と女に従う。
宀は祖霊を祀る寝廟(しんびょう)の屋根の形、その廟中で行われる儀礼をいう字で
ある。
[説文]七下 に「静かなり」と訓しているが、ただ安静にすることをいう字ではなく、
祖霊にたいして安静・安寧を求めるための行為を示す。
卜文・金文にこの字がみえ、金文では安寧の儀礼をいう字である。
西周初期の金文[作冊睘卣(さくさくかんゆう)]に「王姜(おうきゃう)、作册睘(さく
さくくわん)に命じて、夷伯(いはく)を安んぜしむ。夷伯、睘に貝・布を賓(おく)
れり」とあって、安は安撫の意。
王姜の使者として、史官たる作冊睘が夷伯に使いして安撫の儀礼を行ない、夷伯がそれに
対(こた)えて死者に貝・布などの礼物を贈った。
安の礼はまた寧とよぶことがあり、寧とは廟前に血牲を供えて、その霊を安んずる礼で
ある。
安の金文の字形には、女の右下に斜線を加えているものがあり、それは安撫の礼のときに
加える霊衣である。
保も生子の受霊の礼を示す字で、この右下にその形をそえる。
すなわち霊を憑(よ)りつかせる玉衣(たまぎぬ)で、わが国で即位継体のときに用いる
真床襲衾(まとこおふふすま)にあたるものとみてよい。
新生の子にこれを加えるのが保であり、その例を以ていえば、新しく嫁してきた婦を、
その家廟に入れて廟見の礼を行い、祖霊にその安寧を求める儀礼が、安の原義であろう。
したがって[作冊睘卣]のように、「夷伯を安んず」という政治的な行為は、その拡大された
用法と思われる。
卜文に女を囗(い)中におく字があり、金文には子を囗中におく例があって、それらは
いずれも受霊のために一時外界と隔絶儀礼のしかたを示すものと思われる。
安寧・平舒(へいじょ)の義はすべてその引伸義である。
字は仮借(かしゃ)して焉(えん)・烏(う)抑と通用し、「いずくんぞ」「なんぞ」
「あるいは」などの疑問副詞に用いる。
安価・安易のように用いるのは国語の訓である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
安という字は新婦が夫の家の人となるための儀式を表す字だったのですね。
それを行うことによって、祖先に守られて、やすらかで平穏な生活を送ることができる思われていた
のですね。
解説に出てきた「真床襲衾(まとこおふふすま)」という言葉、もしかして、数年後に行われる天皇
陛下の退位と即位のときに出てくるかもしれませんね。
私は覚えているのかちょっと心配ですが・・・
さて今日の一枚は・・・
11月6日に見つけた時は新種のゼニゴケですか?と思うぐらいに地面に張り付いてピンク色の花と
思われるものを一つ付けていたベゴニアのその後の姿です。
このところの寒さに家の中に入れて今はキッチンの棚の上に置いてあります。
寒さから逃れられたせいでしょうか、少しずつ背丈を伸ばしはじめ、ついにちゃんとした花が咲きま
した。
0コメント