新*今日の漢字* 「医」
今日は朝から外孫を預かっています。
小さいながらもすでに「きかんしゃトーマス」がお気に入りでDVDを見せるとおとなしく
みています。
では・・・
新*今日の漢字*
「医」 音読み イ 訓読み ---
画数 7画 匸(かくしがまえ)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は醫に作り、殹(えい)と酉(ゆう)とを組み合わせた形。
医は醫の略字。
醫の古い形は毉(い)とかいた。
医は匸(けい(かくされた場所))に悪霊を祓う力のあるやをおく形。
殹はその矢に殳(しゅ(うつの意味がある))を加えた字で、かけ声をかけながら矢を
殴(う)ち、その矢の力で悪霊を祓うのである。
すべて病気は悪霊のしわざによっておこると考えられていたので、これで病気を殹(い
や)すことができるとされた。
病気をなおすお祓いをするのは巫(みこ)であったので、殹に巫(ふ)を加えた毉が医の
古い字形であった。
のち酒を使って傷口を清めたり、酒を興奮剤に使ったりしたので、殹の下に酉(酒樽の
形)を加えて醫となった。
医はその略字であるが、もっとも古い時代には医の字形が使われ、殹は矢をうつときの
かけ声を示す字であった。
現在、医は醫の常用漢字として使われる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 [説文]十二下 に「医(えい)は弓弩(きゅうど)の矢を盛(い)るる器なり」とあり、
矢を匚(はこ)の中に収めている形で、「うつぼ」、また「ゆぎ」ともいう。
その本音はエイで、字はまた翳(えい)に作る。
[国語、斉語(せいご)]に「兵、翳を解かず」とはゆぎを解かず、武装したままの意で
ある。
字はいま醫(い)の略字として常用漢字に用いるが、もとは声義ともに異なる字である。
醫は殹(えい)に従うが、殹は呪器(じゅき)としての矢を殴(う)つ形で、それが
古代医術の方法であった。
その医は「うつぼ」の意ではなく匿(とく)が秘匿のところで巫舞(ふぶ)を行うことを
示す字であるように、呪矢を秘匿のところに収め、これに向かって祝禱(しゅくとう)し
これを殴ち、その呪霊によって病魔を祓うことをいう。
殹は[説文]十四下 醫字条に「病める聲なり」とあり、その祝禱のときのいきんだ声を
いう。
古く医療には巫術や呪具を用い、また酒を用いたので、のち毉(い)・醫の字が作られた
のである。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「医」は「醫」の常用漢字になっていますが、本来は弓の矢を収める箱のことだったのですね。
さらにその矢に殳(しゅ(うつの意味がある))を加えた字で、かけ声をかけながら矢をうち、その
矢の力で悪霊を祓う意味の「殹」がありましたね。
加えて昔は巫(みこ)がお祓いをしてなおしていたので「毉」があり、お酒を治療に利用したので、
「醫」の字があったのですね。
いろいろなものに頼って病気を治していたので、いろいろな漢字も生まれたのですね。
病気をなおすことがいかに大変だったのか、伝わってきますね。
さて今日の一枚は・・・
見ても可愛い、食べてもおいしい、喉にも良いという、金柑です。
全体的に色づいてきました。
お正月に甘露煮にできるでしょうか?
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