新*今日の漢字* 「球」
今日は午後から甥っ子の関係の賀詞交歓会のお手伝いがあります。
では・・・
新*今日の漢字*
「球」 音読み キュウ 訓読み たま
画数 11画 部首 王
では常用字解で調べてみましょう。
形声 音符は求(きゅう)。
求は剥(は)ぎ取った獣の皮の形で、裘(きゅう(皮衣(かわごろも)))のもとの字で
ある。
求はくるくると巻いて丸くすることができるものであるから、丸いものをいう語となり、
球とは円い「たま」をいう。
古くは王の位を象徴するものとして、小球・大球の授受が行われた。
球は精気によって生まれ、霊の象徴とされるもので、わが国では「たま」といい、霊(た
ましい)と語源が同じで、霊の乗り移るものと考えられたようである。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 声符は求(きゅう)。
[説文]一上 に「玉(ぎょく)なり」(段注本)とし、重文として璆(きゅう)をあげて
おり、翏(りょう)声。
翏に漻(こう)・膠(こう)の声がある。
美玉の名で、玉磬(ぎょくけい)に用いる。
[書、益稷(えきしょく)]に「夔(き(楽祖の名))曰く、戛(かつ)として鳴球を撃つ」
とは玉磐をいう。
璆は[楚辞、九歌、東皇太一(とうこうたいいつ)]に「長劔の玉珥(ぎょくじ)を撫(ぶ)
すれば、璆鏘(きうさう)として琳琅(りんろう)鳴る」とあって、璆鏘とは玉の鳴る音
をいう。
玉は精気の凝(こ)るところで、霊の象徴とされる。
[書、顧命(こめい)]は康(こう)王の即位継体の礼をしるすものであるが、そのとき大玉
(たいぎょく)・夷玉(いぎょく)・天球など、多くの霊玉が東序に陳設されている。
[詩、商頌(しょうしょう)、長発(ちょうはつ)]に「小球、大球を受け~天の休(たまも
の)を何(にな)ふ」とあり、天の恩寵を示す霊玉で、わが国の神器にあたるもので
あろう。
中国の美玉は[爾雅(じが)、釈地]に「西北の美なる者に崑崙虛(こんろんきょ)の璆琳
(きうりん)・琅玕(らうかん)有り」とみえ、[書、禹貢(うこう)]に雍州(ようしゅ
う)の貢ぎ物とする。
近年発掘された殷(いん)武丁(ぶてい)の妃婦好(ふこう)の大墓から、多くの玉器の
精品が出土し、当時の玉造りの技術の高さを示している。
わが国でも玉造部(たまつくりべ)は所在の古代政権と密接な関係をもち、その伝統を
保持していた。
玉はわが国においても「魂(たま)」であった。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「球」は含まれる「求」の字の毛皮を巻いて丸める意味から「まるいもの、まるいたま」を表して
いるのですね。
今と同じかな?と思いきや、ボール等の球ではなくて、王の象徴である玉(ぎょく)のことだった
のですね。
春秋戦国時代の物語に「碧玉(へきぎょく)」という言葉が出てきてそれはそれは大切な物だそうで
それを割るふりをして敵の手から逃れた話があったり、命がけで運んだりする話がありました。
字は変わりませんが、意味する重みはずいぶん変わりましたね。
では今日の一枚は・・・
春が楽しみです。
0コメント