新*今日の漢字* 「幸」
今日は節分ですね、この地方の風習ではありませんが、恵方巻を楽しみにしています。
では・・・
新*今日の漢字*
「幸」 音読み コウ 訓読み さいわ(い) さち しあわ(せ)
画数 8画 部首 干(かん いちじゅう)
では常用字解で調べてみましょう。
象形 手枷(てかせ)の形。
古い字形からいえば、両手にはめる刑罰の道具である手枷の形である。
これを両手にはめた形は執(とらえる)
報復刑として手にによる犯罪に枷をはめることを報(むくいる)という。
報は両手に手枷をはめられて跪(ひざまず)く人を又(ゆう(手の形))で後ろから抑え
る形である。
幸はおそらく倖(こう(さいわい))の意味であろう。
手枷だけの刑罰ですむのは、僥倖(思いがけない幸せ)であり、重い刑罰を免れるという
ので幸というのであろう。
それで幸に「さいわい」の意味がある。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 手枷(てかせ)の形。
[説文]十下 に「吉にして凶を免るるなり」とし、字をぎゃく(逆のしんにょう無し)と
夭(よう)とに従う会意字とする。
夭は夭死、ぎゃく(逆のしんにょう無し)に従うてその逆であるから、夭死を免れる意の
会意とするのであるが、このように否定の意を加えた会意という造字法はなく、字は明ら
かに手枷の象。
罪人を執(とら)えることを執、報復刑を加えることを報という。
また幸声に従うものに悻(こう)・婞(こう)の字があるが、いずれも幸福の義に遠い字
で、悻は「もとる」、婞にも「もとる」意があり、従順でないことをいう。
幸はもと僥倖(ぎょうこう)の意に用い、[荀子(じゅんし)、王制]「朝(てう)に幸位
無く、民に幸生無し」とは、僥倖をもってことを望みがたい意。
のち天子のことに用いることが多く行幸・侍幸・幸愛という。
また幸生・幸冀(こうき)など、願望の意とするが、それらはもと僥倖の義を含むもので
あろう。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
なんと「幸」は「手枷」の形だったのですね。
刑罰の手枷で幸せとは変だと思いますよね。
例えば、王に対して正しい諫言(かんげん(目上の人の過失などを指摘して 忠告する))をしただけ
で、本人だけでなく一族が殺されてしまうことがあった時代に命を取られない手枷は「さいわい」
だったのですね。
さて今日の一枚は・・・
昨日の続きの松ぼっくりです。
なんと、一晩水につけておいたら、開いていた笠がみんな閉じて若い松ぼっくりのようになりまし
た。
お皿の上で1日半ぐらいしたら、もとの松ぼっくりの形に戻りました。
自然の造形物ってすごいですね。
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