新*今日の漢字* 「写」
今日は上野の国立博物館の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」に行って来ました。
では・・・
新*今日の漢字*
「写」 音読み シャ 訓読み うつ(す る)
画数 5画 部首 冖(わかんむり)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は寫に作り、宀(べん)と舄(せき)とを組み合わせた形。
宀は祖先を祭る廟(みたまや)の屋根の形で、廟屋(びょうおく)。
舄は儀礼のときにはく飾りのあるぬいぐつの形である。
寫は廟の中では儀礼用の舄にはきかえるので、まえのくつをはきかえ写(のぞ)のぞくの
意味となった。
それでまた移すの意味となるが、ものを移してかえることから、「うつしとる、うつす」
の意味に用いる。
潟(せき)は潮が引いて、干潟となるような地形の所をいい、やはり移す、除くの意味が
ある。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 旧字は寫に作り、宀(べん)と舄(せき)とに従う。
宀は廟屋(びょうおく)、舄は儀礼のときに用いるぬいぐつであるから、もと儀礼に
関する字である。
廟中ではふつ(芾のくさかんむり無し)舄など儀礼用のものを履(は)くため屨(くつ)
をぬぐ意などを含む語であろう。
[説文]七下 に「物を置くなり」と訓し、形声とする。
[玉篇]に「盡すなり、除くなり」の訓を加える。
屨をぬぎかえることから、移す、とり除くの意が生まれる。
[礼記(らいき)、曲礼(きょくらい)、上]「器の漑(あら)ふ者は寫(うつ)さず。其の
絵は皆寫す」とは、公から賜わった食余のものを他の器に移す意。
また[詩、小雅、蓼蕭(りくしょう)]「我が心舄(のぞ)く」は愁いを除く意、[石鼓文
(せきこぶん)、田車石]「宮車其れ舄(のぞ)く」は車より解き放つ意である。
他に移すことから、伝写の意となり、[漢書(かんじょ)、芸文(げいもん)志]に、武帝の
とき写書官をおいて書を写すことがみえ、謄写・写真の意に用いる。
常用漢字の写が冖(べき)に従うのは、誤りである。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「写」のもとの字が「寫」で「冖(べき)」は「廟屋」で「舄(せき)」は「飾りのあるぬいぐつ」
なので、儀礼のときに廟中でくつを履き替えのぞくの「のぞく」の意味だったようですね。
そして「移す」の意味から移しかえることから「うつしとる、うつす」の意味になったようですね。
このあたりは今でいう「移す」のイメージのようですね。
そして後漢に編纂された「漢書」のころに「写書官をおいて書を写す」ことがみえるようで、今の
イメージになったようですね。
さらに「常用漢字の写が冖(べき)に従うのは、誤り」とあるのは驚きですが、難しい旧字体を簡易
な当用漢字や常用漢字に移行する際に漢字の字源から考えると問題になる変更がいくつかあったよう
ですので、その一つだと思います。
速報です、女子団体パシュートがオリンピックレコードで金メダルを獲得しました、
おめでとうございます!
では今日の一枚は・・・
今日行った国立博物館の案内板です。
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