新*今日の漢字* 「習」
今日は20余年に1度回ってくる氏神様の大切なお祭りが約1週間後になり、
不慣れなお当番の準備でご近所の物知りな方にご協力をお願いしています。
では・・・
新*今日の漢字*
「習」 音読み シュウ 訓読み なら(う)
画数 11画 部首 羽
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は羽(羽)と曰(えつ)とを組み合わせた形。
いま下部を白の形とし、[説文]四上 に「數々(しばしば)飛ぶなり」として、音符を白
(はく)とする。
しかし音が合わないから、飛ぶ羽の裏の白さが見えるなどとする説もあるが、古い字形
では下部は曰(えつ)の形。
曰は神への祈りの文である祝詞をいれる器(口(さい))の中に祝詞が入っている形で、
その上を摺(す)ることを習という。
祝詞を入れる器を羽で摺るのは、その祈りの効果を刺激する行為であり、それを繰り替え
すことを習(なら)うという。
習うとは国語では慣れるの意味で、そういう行為を習(かさ)ねることは、慣れ翫(もて
あそ)ぶ行為である。
一定の行為を習(かさ)ねることから、くり返し学習することとなり、慣れて慣習(なら
わし、習慣)となる。
それで習は「くりかえす、ならう、なれる、かさねる」の意味となる。
羽と同じように簪(しん(兂(しん))かんざし)も呪器(じゅき)として使用すること
があり、二つの兂(兓(しん))を曰の上に置いて祈ってのろい、人をそしることを朁
(さん)といい、譖(しん(そしる))はその形声の字である。
羽は飾りとして併記などにつけることがあり、楕円形(だえんけい)の盾(たて)に二本の
羽飾りをつけた形は單(単)である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 羽(羽)と曰(えつ)とに従う。
曰は祝禱を収めた器の形。
この器の上を羽で摺(す)って、その祝禱の呪能(じゅのう)を刺激し、そのような行為
をくりかえすことを意味する字で、翫習(がんしゅう)・褻翫(せつがん)の義となる。
[説文]四上 に「數々(しばしば)飛ぶなり」とし、白(はく)声(段注本)とするが、
声が合わない。
それで[説文通訓定声]には、数々飛ぶときは、気息が白くなるという話は、聞いたことが
ない。
[説文]が白部にあげている文字は、皆・魯・者など、百を除いて他はすべてもと曰(えつ)
に従う字であるから、習も白に従うものでなく。曰に従う字であったと思われる。
曰の上に両形を並べる形のものに、皆・ゆう(上下に、双+曰)・曹(上下に東東+
曰)・替(たい(上下に先先+曰))・朁(さん)などがあり、それらはいずれも祝禱の
器に対して加えられているもので、ゆう(上下に、双+曰)・朁(さん)はそれぞれの
呪能にはたらきかける意味をもつ行為である。
たとえばゆう(上下に、双+曰)は曰の上に両手をおいて誓い、神霊に宥和(ゆうわ)す
る意味をもつ同族間の盟約のしかたを示し、友の初文。
朁は両簪(りょうしん(かんざし))を曰上において呪詛(しゅそ)を加える方法で、譖
(しん)の初文である。
これによっていえば、習は曰上に羽をおいてこれで摺(す)り、その祝禱の成就(じょう
じゅ)を求めることであろうが、そのことがあまりに頻繁にすぎて、かえって神を褻翫
する意ともなるのであろう。
慴(しょう)がしゅう(摺のてへんなし)声に従うのも、関連のあることと思われる。
すべて積習うのことを習といい、それで習慣の意となり、習用することによって狎習
(こうしゅう)の意となり、久しい間に習弊を生ずることとなる。
習の古い字形がなくて、確かめがたいところもあるが、この系統の字形構造の意味に
一貫性があり、その造字の意を推測しうるのである。
羽は呪飾として重んぜられ、翣(しょう)や羽(すい(方+(上にノ一下に遂))の類は
兵器や儀器に多く用いられたものである。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「習」はもともとは「羽」と「白」ではなく、「羽」と「曰(えつ)」との組み合わせたものだった
ようですね。
そして「曰」は「神への祈りの文である祝詞をいれる器(口(さい))の中に祝詞が入っている形」
でそれを「羽」で摺って成就をお願いしたようですね。
さて今日の一枚は・・・
先日、外孫を迎えに行ったら、娘の家の玄関わきの花壇にクリスマスローズの花が咲いていました。
ケヤキの枯れ葉に守られていたでしょうか、あの大雪にも負けずに咲きましたね。
0コメント