新*今日の漢字* 「宿」
今日は朝から雨が降りました。
花粉症は少し楽な気がします。
では・・・
新*今日の漢字*
「宿」 音読み シュク 訓読み やど やど(る す)
画数 11画 部首 宀
では常用字解で調べてみましょう。
会意 宀(べん)としゅく(イ+丙の下に横画)とを組み合わせた形。
宀は祖先の霊を祭る廟(みたまや)の屋根の形。
しゅく(イ+丙の下に横画)はてん(丙+横画)席(敷きもの)に人が寝ている形。
廟などの神聖な建物に宿直する(とのいする)ことを宿という。
それで「やどる、やど、とのい。とどまる」の意味になる。
物忌(ものいみ(ある期間、食事や害出などを慎んで心身を清めること))のために
一定の場所に宿ることもあり、そのためあらかじめ物忌することもあり、前もってする
ことを宿願・宿志(以前からの願い)といい、久しい間そのことに従ってきたものを
宿学・宿儒(深く学んだ学者・儒者)のようにいう。
そして後までもその影響の残るような状態の物を宿恨(久しい以前から抱いていた恨み。
しゅくこんともよむ)・宿酔(酒の酔いが残ること。二日酔い)という。
もとの宿直するの意味から、多くの意味が展開してきている字である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 宀(べん)としゅく(イ+丙の下に横画)とに従う。
宀は廟屋(びょうおく)の屋根の形。
しゅく(イ+丙の下に横画)はてん(丙の下に横画)席(しきもの)に人が寝ている形。
人が廟中に宿直することを示す字である。
[説文]はしゅく(イ+丙の下に横画)を夙(しゅく)字条七上に録してその古文とするが、
宿の初文とみてよい。
[説文]七下 に宿を「止(とど)まるなり」とするが、留宿して廟所を守のが字の原義。
宿にまた到斎(ちさい)の意があるゆえであり、[礼記(らいき)、礼器]「三日宿す」と
は、いわゆる斎宿すること三日の意で、もの忌みをいう。
また宿戒といい、[周礼(しゅうらい)、春官、世婦(せいふ)]「女官の宿戒を掌る(つか
さど)る」とは祭前に一定期間、斎戒に服するのである。
予(あらかじ)めすることよりして宿志・宿願といい、久しくすることよりして耆宿
(きしゅく)・宿酲(しゅくてい)という。
みな宿の原義である斎戒宿直のいより、次第に演繹(えんえき)してその義を生じたもの
である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「宿」はもともとは「廟などの神聖な建物に宿直する(とのいする)こと」だったようですね。
*もの忌みのために一定の場所に宿ることを前もってすること「宿願・宿志」
*久しい間そのことに従ってきたもの「宿学・宿儒」
*後までもその影響の残るような状態「宿恨・宿酔」
もとの宿直するの意味から、多くの意味が展開してきている字だったのですね。
さて今日の一枚は・・・
紫陽花の芽も出てきました。
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