新*今日の漢字* 「所」
昨夜は雨が強く降り、大雨警報や土砂災害警報がでたようです。
では・・・
新*今日の漢字*
「所」 音読み ショ 訓読み ところ
画数 8画 部首 戸(妒の女無し)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は所(戸が妒の女無しの形)に作り、戸と斤とを組み合わせた形。
戸は神棚(かみだな)の片開(かたびら)きの扉の形である。
両開きの扉は門となる。
聖器としての斤(おの(手斧(ておの)))で戸を守ることを所という。
戸(扉)の中には神位(神霊の座)を安置しているのであろう。
所は神のおるところ、聖なるところである。
金文には「帝所」「霊公の所」のように神霊のある所をいう。
のちには「齊侯の所に事(つか)ふ」のように君侯の御座所をいい、皇宮(こうきゅう
(天子・天皇の住まい。こうぐうともよむ))を御所(ごしょ)という。
聖なる「ところ、聖所」の意味から、「場所、地位」の意味となり、許(きょ)と音が
通じて「ばかり」の意味となる。
関係代名詞「ところの」の意味に用いるのは「之於」の音をつめたものである。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 戸(こ)と斤(きん)とに従う。
[説文]十四上 に「木を伐(き)る聲なり」と、斧(おの)の音の形容の語とするが、別の
本義のあるべき字である。
所は金文において聖所の意に用い、[敔(ぎょ)き(皀殳)]にはその戦果としての虜囚
(りょしゅう)執訊(しつじん)を「榮伯(えいはく)の所(ところ)」に献ずることを
しるし、[叔夷(しゅくい)鎛(はく)]に「くわく(虍+小+日+小)々成唐(せいたう
(湯(とう)。殷の祖王))、巖として帝所に在る又(あ)り」 中略
[庚壺(こうこ)]に「霊公の所に獻ず」の句が二見している。
祖霊を祀(まつ)る所というのが原義で、のち君主の在るところにもいう。
[春秋(しゅんじゅう)、僖二十八年]「公、王の所に朝す」とはその行在(あんざい)を
いう。
[独断(どくだん)、上]に「(天子の)行在所と曰ふ」とみえる。
[説文]に字を戸(こ)声とするが、戸は神棚の扉の形で、これを啓(ひら)くことを啓
(けい)・肇(ちょう)という。
肇は金文では肈(ちょう)に作り、その戸を閉ざして、これを戈(ほこ)をもって守る
意。
その戸を啓くことを肇といい、肇始の意がある。
聿(いつ)は戸中の祝禱(しゅくとう)の書をいう。
所はその戈にかえて斤(おの)を用いるもので、戸中にはおそらく神位を安置している
のであろう。
ゆえに「帝所」「霊公の所」のように用いるのが本義。
これを生人に及ぼして「齊侯の所に辟ふ」というのは、その引伸義である。
のち居所・住所のように用いる。
また関係代名詞に用い、受け身の語法もある。
木を伐る声は、許許(ここ)などと同じく声の仮借(かしゃ)である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「所」はもともと「聖器としての斤で戸を守った、聖なるところ」だったようですね。
神や偉大な祖先を祭った聖なるところが次第に「場所、地位」となったようですね。
そのほかにも許(きょ)と音が通じて「ばかり」に使われたり、関係代名詞にも使われるのですね。
さて今日の一枚は・・・
今日も春の気配です。
昨年の残りから生えてきたジュリアンの花がたくさん咲いてきました。
残念ながら、葉はあの大雪のダメージが大きく、あまり育ちませんが、花は必死に咲いている様
です。
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