新*今日の漢字* 「真」
実はママさんが小学校の役員になりまして・・・
今日は小学校デビューの離任式となりました。
ということで、下の孫を預かっています。
今はドラえもんの映画を見ていて静かにしてくれています。
では・・・
新*今日の漢字*
「真」 音読み シン 訓読み ま
画数 10画 部首 目
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は眞に作り、か(ヒの上の画が左に突き抜けている)と県とを組み合わせた形。
か(ヒの上の画が左に突き抜けている)は人を逆さまにした形で、死者の形。
県は首を逆さまに懸けている形で、眞は顚死者(てんししゃ)、不慮の災難に遭って命を
落とした人の怨霊(おんりょう(うらみを持って死んだ人の霊))は強い力を持つ霊と
して恐れられた。
眞(行き倒れの人)を拝む形は顚(てん(たおれる))で、顚死することをいう。
それで顚死者を丁重に填(うず)め、祠(ほこら)の中に寘(お)き、霊の力をもつ玉を
そえて鎭(しず(鎮))めた。
このように眞をその要素とする字の多くは、みな顚死者のの怨霊を恐れ慰める儀礼に
関する字である。
わが国でも[万葉集]によると、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)は水死した采女(うね
め(天皇・皇后の日常の雑役をした女官))などに晁かを捧げて弔っている。
真は死者で、それはもはや変化しするものではないから、永遠のもの、しんの存在の意味
となり、「まこと」の意味となるのは、人の生は一時(ひととき(わずかな間))、仮
(かり)の世であるが、死後の世界は永遠であるという古代の人々の考えによるもので
ある。
それは人の姿態を後ろから支えている形の久がひさしい、永久の意味となったのと同じ
である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 旧字はか(ヒの上の画が左に突き抜けている)と県とに従う。
か(ヒの上の画が左に突き抜けている)は化の初文で、死者の形。
県はきょう(県の下部が巛)で、首の倒形。
合わせて顚死(てんし)の人をいう。
[説文]八上 に「僊人(せんじん)なり。形を變へて天に登なり」とし、字形は(ヒの上の
画が左に突き抜けている)乗り物の形目と乚(いん)に従うもので、「八は乘載する所
なり」、すなわち乗り物の形とする。
雲気のようなものとするのであろう。
また乚(いん)字条十二下 に「匿(かく)るるなり」とあり、真とは化した人が姿を匿
して人に見えず、雲気に乗じて登仙する意とするが、すべて附会の甚だしいものである。
真とは死者、それはもはや化することのないものであるから、永遠にして真実なる者の意
となる。
真の字形を解するには、真をその構成要素とするそれぞれの字を分析して、そこから帰納
する方法をとることができる。
顚(てん)は顚死の人。
眞がその顚死者であるが、そのような非命の死者の怨霊はおそるべき呪霊(じゅれい)を
もつものであるから、これを慎み、塡(うず)めて鎮(いわ)い葬り、その瞋(いか)り
を鎮めなければならない。
それで屋舎を設けてその霊位を設け、そこに寘(お)くのである。
中略
真は中国の古代思想が達しえた、最も優れた理念の一つであるが、のち道教の徒によって
著しく世俗的なものとなった。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「真」は「不慮の災難に遭って命を落とした人」の形だったのですね。
なぜその「真」が今の意味となったのか、私たちには理解しがたい部分がありますね。
「不慮の災難に遭って命を落とした人」の怨霊は強い霊として恐れられ、また祭られたようですね。
「真は死者で、それはもはや変化しするものではないから、永遠のもの」となり、「しんの存在の意味となり、まこと」の意味となったようですね。
これが「中国の古代思想が達しえた、最も優れた理念の一つ」だったのですね。
さて今日の一枚は・・・
私の部屋のいつもと違う窓からの景色です。
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