新*今日の漢字* 「追」
昨夜から降り出した雨が今も静かに降り続いています。
では・・・
新*今日の漢字*
「追」 音読み ツイ 訓読み お(う)
画数 9画 部首 しんにょう
では常用字解で調べてみましょう。
会意 𠂤(し)と辵(ちゃく)とを組み合わせた形。
𠂤は軍の出征のとき、祖先を祭る廟(みたまや)や軍社で戦勝祈願の祭りをするときに
供える肉(脤肉(しんにく))の形。
軍が行動するときには常にこの脤肉を捧げて行動した。
辵(しんにょう)には行くの意味がある。
脤肉を捧げて追撃する(逃げる敵を追いかけてうつ)ことを追といい、敵をおうの意味と
なる。
のちすべて「おう、おいつく、およぶ」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 𠂤(し)と辵(ちゃく)とに従う。
𠂤は軍行のとき、軍社に祭った祭肉・脤肉(しんにく)の形で、軍の行動するをときには
常にこの脤肉を奉じて行動するのである。
𠂤は卜文・金文に師旅の師の字に用い、師の初文で、その軍を𠂤(師)という。
軍を分かって行動するときは、𠂤肉を頒(わ)け与えるので遣という。
辵(しんにょう)は行く意で、脤肉を奉じて敵を追うことを追という。
追はもと敵を追撃することをいう字である。
[説文]二下 に「逐ふなり」と訓し、次条の逐には「追ふなり」と互訓しているが、逐は
獣を逐う意で狩猟の祭のことであり、追は追撃で軍事行動にいう。
金文の[不きき(皀殳)]に「王、我に命じて西に羞追(しうつい)せしめたまふ」「戎
(じゅう)、大いに同(あつ)まりて女(なんぢ)に從追す」のように用いる。
後ろより追う意であるが、時間的に遡(さかのぼ)った対象に対する行為をも追といい、
追孝・追祀(ついし)・追享(ついきょう)のようにいう。
みな金文にみえ、[周礼(しゅうらい)、春官、司尊彝(しそんい)]にも追享の語がある。
追儺(ついな)はただ儺(だ)といい、追はのち語義を誤って加えたもので、わが国の
造語である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「追」は「戦勝を祈ったときに神様に備えた肉を捧げて追撃する」だったのですね。
興味深いのは字統の解説に出てきた「逐」こちらは獣をおいかける狩猟の意味だったのですね。
今では、判らなくなってしまっていますが、古い時代の人びとは字を見たら、「敵をおっていったのか」、「獣をおっていたのか」が分かったのでしょうね。
さて今日の一枚は・・・
柿畑の柔らかい新緑を写したのですが、ガラス越しだったので、心霊写真の様にカメラが写りこんで
しまいましたね。
右側の濃い色の木はミカンの木です。
昨日草刈りをしたので手前側の地面はきれいですが、猫の大好きな葉っぱもきれいさっぱり消え失せ
ました。
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