新*今日の漢字* 「反」
今日は午後から雨が降るそうです。
では・・・
新*今日の漢字*
「反」 音読み ハン ホン タン 訓読み そ(す らす)
画数 4画 部首 又(また)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 厂(かん)と又(ゆう)とを組み合わせた形。
厂は崖(がけ)の形。
又は手の形。
反は急な崖に手(又)をかけて攀(よ)じ登ろうとする形で、崖が急であるため、身体が
ひっくり返ることをいう。
金文にみえる反はすべて叛逆(はんぎゃく(そむきさからうこと))の意味に用いられて
おり、反はおそらく聖所を犯そうとして攀援(はんえん)する(よじ登る)ことを試みて
いる行為で、そのような行為は叛逆とみなさえた。
それで反は「そむく、かえる、かえす」の意味に用いる。
反は音符の半(はん)を加えた形が叛(はん(そむく))で反が叛のもとの字である。
国語では「そる、そらす」とよみ、体を反らすという。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 厂(かん)と又(ゆう)とに従う。
厂は崖(がけ)の形。
反はそこに手(又)をかけて攀援(はんえん)する(よじのぼる)形。
もし聖域を犯すために攀援を試みるとすれば、それは甚だ不敬の行為であり、叛逆を意味
するものとされた。
[説文]三下 に「覆(くつがへ)すなり。又に從ひ、厂は反する形なり」とするが、ものを
覆す形ではなく、[繋傳(けいでん)]に厂を「物の反覆するに象(かたど)る」とするも、
そのような意象の字とはみえない。
金文の字形は厓(がい)に従う形であるらしく、[小臣単̪觶(しょうしんたんし)]には厂下
に土を加えてる字形があり、土は社主(土地神)であるから、崖下(がいか)の聖所、
それを攀援するのは、神聖を冒す行為である。
[大保(たいほ)き(皀殳)]に「厥(そ)の反するに皶(およ)んで、王、征命を大保に
降す」、[中方鼎(ちゅうほうてい)]「隹(こ)れ王、南宮(なんきゅう(人名))に命
じ、反せる虎方(こほう(外族の名))を伐たしめたまへるの年」、中略
などみな反逆の意に用いる。
[觶、小雅、何人斯(かじんし)]「以て反側を極(せ)む」、[周礼(しゅうらい)、夏官
匡人(きょうじん)]「敢(あへ)て反側すること無からしむ」の反側は、法度に違背する
ことをいう。
また往返出入の意に用い、金文の[頌鼎(しょうてい)]や[善夫山鼎(ぜんぶさんてい)]に
「瑾璋(きんしやう)を反入(へんなふ(返納)す)」とあり、前命のときに拝受した
瑾璋(玉の礼器)を返納する儀礼をいう。
正反相対する語として用いられ、[孟子、公孫丑(こうそんちゅう)、上]に「自ら反て
縮(なお(直))からば、千萬人と雖(いへど)も吾(われ)往(ゆ)かん」という語が
ある。
自反とは反省というに同じ。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「反」はもともとは「急な崖によじ登ろうとする形で、体がそりかえる、ひっくりかえる」という
意味だったようですね。
金文の頃には「聖所によじ登る」というようなことから「そむく、かえる、かえす」の意味になった
ようですね。
日本では「そる、そらす」と読み、「体を反らす」意味となり、なんと、もとの意味に使われている
のですね。
さて今日の一枚は・・・
シランがきれいに咲いていました。
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