新*今日の漢字* 「命」
今日も朝から暑いです。
昼過ぎから外孫を預かります。
では・・・
新*今日の漢字*
「命」 音読み メイ ミョウ 訓読み いのち
画数 8画 部首 口
では常用字解で調べてみましょう。
会意 令と口とを組み合わせた形。
令は深い儀礼用の帽子を被(かぶ)り、跪(ひざまず)いて神託(神のお告げ)を
承ける人の形。
口は「さい」で、神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形。
神に祝詞を唱えて祈り、神の啓示(お告げ)として与えられるものを命といい、「神の
お告げ、おおせ、いいつけ」の意味となる。
生命(いのち)のように、「いのち」の意味に用いるのは、人のいのちは天から与えられ
たもの、神のおおせであると考えたからである。
また運命(幸や不幸のめぐり合わせ。さだめ)のように、「さだめ」の意味にも用いる。
甲骨文字・金文では令を命の意味に用い、令が命のもとの字である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 令と口とに従う。
令は礼冠を著(つ)けて、跪(ひざまず)いて神の啓示を受ける人の形。
口は「さい」で祝禱を収める器の形。
神に祈ってその啓示を待ち、その啓示として与えられたものを命という。
[説文]二上 に「使ふなり。口に從ひ、令に從ふ」と、口で命令する意に解するが、その字
はもと神の命令を意味するものであった。
卜文・金文には令を命の意に用いており、令が命の初文。
西周(せいしゅう)中期以降に至って、命の字が用いられる。
命と令とはもと一字、命は令より分化した字である。
令は神意を聴く形で、金文には命の意に用い、周(しゅう)初の[大盂鼎(だいうてい)]
に「天の有する大令(たいめい(命))を受(さづ)けられたまふ」、[也(い)き
(皀殳)]に「顯々たる受令(命)」のようにいい、・・・中略・・・
いずれも天命の意。
天命の思想は周初の[書、周書]の詩篇にもみえ、周王朝創建の理念として掲げられたもので
あった。
・・・中略・・・
祖霊もまた神として後人に命するものであり、・・・中略・・・
王や尊上の命ずるところも命といい、金文に明命・休命・嘉命(かめい)の語がある。
また恩命の意があって、初期の金文には令を賜与の意に用いることが多い。
・・・中略・・・
[論語、尭曰(ぎょうえつ)]の末章に、「命を知らざれば、以て君子と爲(な)す無き
なり」という。
孔子が五十にして天命を知ったというのは、その意であろう。
一世に名のある人を命世、その才を命世の才といい、趙岐(ちょうき)の[孟子題辞]に、
孟子を「命世の亞聖」と称している。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「命」のもとの字は「令」だったのですね。
「令」は「儀礼用の帽子を被り、跪(ひざまず)いて神託(神のお告げ)を承ける人」で
「口」は「神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形」で
「命」は「神に祝詞を唱えて祈り、神の啓示(お告げ)として与えられるもの」をいう字だった
のですね。
人のいのちに用いるのは「人のいのちは天から与えられたもの」と考えられたからだったのですね。
さて今日の一枚は・・・
昨年、切った時期が悪かったのでしょう、今年の紫陽花の花はこの花のみです。
貴重なだけでなく、かわいいです。
0コメント