新*今日の漢字* 「礼」
今日は朝から良い天気で気温がぐんぐん上がっています。
では・・・
新*今日の漢字*
「礼」 音読み レイ ライ 訓読み ---
画数 5画 部首 ネ(しめすへん)
では常用字解で調べてみましょう。
形声 もとの字は禮に作り、音符は豊(れい)。
豊は醴(れい)のもとの字で、醴は[説文]十四下 に「酒の一宿にして孰(じゅく(熟))
せるものなり」とあり、あまざけの類をいう。
儀礼のときには醴酒を用いることが多く、醴酒を使用して行う儀礼禮といい、「れいぎ、
いや(礼儀)、うやまう」の意味に用いる。
[中庸、二十七]に「禮儀三百、威儀(礼式にかなった動作・態度)三千」という語があり、
中国の古代文化は礼教を重んじる文化であった。
その結果、繁文縟礼(じょくれい(規則礼式gこまごまと決まっていて、めんどうな
こと))、形式に流れることが多かった。
禮の常用漢字として使用する礼の字は、[説文]に古文としてあげられており、漢代の
石碑にも使われている。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 旧字は禮に作り、声符は豊(れい)。
豊は醴(れい)で、禮の初文。
その醴酒(れいしゅ(あま酒))を用いて行なう饗醴(きょうれい)などの儀礼を礼と
いう。
[説文]一上 に「履(り)なり」と畳韻の字をもって訓し、「神に事(つか)へて福を
致す所以(ゆゑん)なり」とその義を説き、豊の亦声(えきせい)とする。
卜文・金文の豊声の字には、豊の上部をかく(珏の旁が王)の形に従うもの、二ほう(蚌
の虫なし)の形に従うものもあり、玉(ぎょく)や禾穀(かこく)の類を豆(とう)に加
えて薦めた。
豊は醴の初文とみてよく、祭儀のときには醴酒を用いた。
豆にものを載せて奉ずるのは豊盛(ほうせい)の意で、礼とは声義ともに異なるもので
ある。
[説文]に古文として礼をあげ、すでに漢碑(かんぴ)にもその字形を用いる例が多い。
礼はもと祭儀に用いる字であったが、のち宮廷儀礼の意となり、それにより貴賤の秩序
や儀容の全体を包含するに至り、[中庸、二十七]に「禮儀三百、威儀三千」の語がある。
中国の古代文化は、その意味で礼教的文化であると規定することができる。
その結果、繁文縟礼(じょくれい)、形式に流れ、内実を失うことが多かった。
[論語、陽貨(ようか)]に「禮と云ひ禮と云ふも、玉帛(ぎょくはく)を云ふならんや、
樂と云ひ樂と云ふも、鐘鼓を云ふならんや」とは、礼が形式のみに堕(だ)することを
責める語である。
しかし礼の形式化は時代とともに著しくて、この国における自由人の系譜は、つねに
反礼俗的である。
晋(しん)の阮籍(げんせき)は礼教に拘(かかわ)らず、これを譏(そし)るものに
対しては、[晋書(しんじょ)、阮籍伝]「禮に豈我の爲に設けられしものならんや」といっ
て、これを拒否したという。
白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「礼」はもと「禮」と書き、儀礼に使う甘酒の類に関連した字だったようですね。
そして、今使われている「礼」も最近の作られた字ではなく、漢碑にも使用されていたのですね。
古代中国では礼を重んじすぎて形式に流され、内実を失うことも多かったようですね。
さて今日の一枚は・・・
柿畑に「クサキボタン」の花が咲きました。
きれいな花ですが、名前のようにちょっと嫌なにおいが香ります。
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