新*今日の漢字* 「加」
少し過ごしやすかった昨日に比べて、今日は暑くなるそうです。
そんな中、実家の母の新盆のお墓参りに行きます。
ではその前に・・・
新*今日の漢字*
「加」 音読み カ 訓読み くわ(える わる)
画数 5画 部首 力
では常用字解で調べてみましょう。
会意 力(りょく)と口とを組み合わせた形。
力(耒の形)に口(さい(神への祈りの文である祝詞を入れる器の形))をそえている形
で、すきを祓(はら)い清める儀礼をいう。
すきやくわなどの農具は、神に祈り、よく祓い清めてから使用しないと、秋に虫が発生し
て作物を食べると考えられていた。
それで農具にお祓いを「くわえる」儀礼をし、収穫量の増加する(数量が増える)ことを
祈ったのである。
「くわえる、ます」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 力(りょく)と口とに従う。
力は耜(すき)の象形。
口は祝禱を収める器の形で「さい」、加はもと耜を清めて生産力を高めるための儀礼を
示す字であろう。
[説文]十三下 に「語、相增加するなり」とあり、ひとを中傷し誣妄(ふもう)する意と
する。
言部三上 に譄(そう)字条に「加なり」、誣字条にも「加なり」とあって、[説文]は一貫
して加を[論語、公冶長(こうやちょう)]「吾、人の諸(これ)を我に加ふることを欲せざ
ることは、吾(われ)も亦(また)諸を人に加ふること無からんと欲す。」の加、すなわ
ち中傷の意とするが、それは加の字に含まれる口を口耳の形と解して、字形の理解を誤っ
たものである。
加は耜を祓(はら)い清める儀礼で、農耕のはじめに、秋の虫害を避けるため、耜に修祓
(しゅうふつ)を加えるのが例であった。
そのとき鼓声をもって蠱(こ)を祓うこともあり、これを嘉(か)という。
・・・中略・・・
加はもと農耕儀礼であるが、これを儀礼全体に及ぼして、加礼の意となる。
金文の[虢季子白盤(かくきしはくばん)]に「王孔(はなは)だ子白(しはく)に儀を
加ふ」とは加礼の意で、その威儀をさかんにすることをいう。
加礼の意より、加上・類加の義となり、神を祀(まつ)るとき、その祝詞で実際の供薦
よりも多く供えたようにいうことも加という。
・・・中略・・・
卜辞に分娩(ぶんべん)を卜するものがあって、「加なるか」「加ならざるか、隹(こ)
れ女なるか」のようにいう。
加は嘉、女子のときは不嘉という。
加が嘉の初文であることが知られるとともに、農耕儀礼に用いる字が、そのまま生子儀礼
に用いられていて、両者の間に関連性のあることが知られる。
加は本来吉嘉の礼であるが、のち嘉殃(かおう)・加憂・加法など、他より加えられる
ものをいう。
白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「加」はもとは「秋の害虫を防ぐ農耕儀礼」だったのですね。
それを全体に及ぼして「加礼(儀を加える)」の意味になるのですね。
「加上・類加の義となり、神を祀(まつ)るとき、その祝詞で実際の供薦よりも多く供えたように
いうことも加という。」という所は、いつの世もにたようなことがあると思わず微笑んでしました。
さて今日の一枚は・・・
夏休みを前にして、上の孫が学校から持って帰ってきたホウセンカの苗です。
そういえば、1~2か月前に「ばぁば、ひまわりの種が取れたらあげるね!」と言っていいたはず
ですが、もしかして、枯れてしまったのでしょうか・・・
ホウセンカの芽が出たてのことを考えると、あながち外れでもないかもしれませんね。
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