新*今日の漢字* 「競」
陽ざしは暑いですが、風と空気は少し涼やかでホッとしています。
では・・・
新*今日の漢字*
「競」 音読み キョウ ケイ 訓読み きそ(う) せ(る)
画数 20画 部首 立
では常用字解で調べてみましょう。
会意 竟を二つ並べた形。
竟は言と兄とを組み合わせた形で、兄は祝(はふり(神に仕える人))。
言は神に誓って祈ることば。
竟は言を頭に戴(いただ)いて祈る祝で、二人並んで祈ることを競という。
並んできそう(張り合う、争う)ように盛んに祈ることから、「きそう、せる」の意味に
使う。
二人並んで舞い、その舞楽を神に捧げることを巽(そん)という。
神事には二人並んで行うという形式をとることが多かった。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 竟と竟とに従う。
二人相並んで祝祝禱(しゅくとう)する意。
[説文]三上 に「彊語(きゃうご)なり」とは畳韻の字の彊をもって訓するもので、相争う
語の意味であろう。
また「一に曰く、逐ふなり」とし、字形は「きゃう(言+言)に從ひ、二人に從ふ」と
いう。
しかし字はきゃう(言+言)と二人とに分かつべきでなく、竟は言を戴(いただ)く人の
形で、祝禱を戴く兄(祝(はふり))が相並ぶ形。
きょう(克+克)と次の構造が似ている。
二人並んで祝禱するのは、神楽を奏する選と同じく、ともに神に奏するものであった。
もとさかんに祈り意であったが、のち競進・競争の意となる。
金文の[宗周鐘(そうしゅうしょう)]に「朕(わ)が猷(はかりごと)成る又(あ)りて競
(きそ)ふ亡(な)し」と、その義に用いている。
競の卜文や金文図象にみえる字は、上部が言でなく、巫祝者(ふしゅくしゃ)の礼冠の形
かと思われるものもあるが、言に従うものもある。
きょう(克+克)と競の別はあまり定かではないが、いずれも二人祝告を奉ずる言に従う
形である。
白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「競」に含まれる「竟」は「言と兄とを組み合わせた形で、兄は神に仕える人、言は神に誓って祈
ることば」をあらわしていたのですね。
それを二つ並べた「競」は「神に祈る言葉を頭に戴(いただ)いて祈る祝(はふり)が二人並んで祈
る」姿だったようですね。
二人並んで競うようにいのることから「きそう、せる」の意味になったようですね。
さて今日の一枚は・・・
ホウセンカの茎です。
折れかけて、上の孫にセロテープで補強してもらった部分から根が生えてきました。
植物のたくましさを感じます。
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