新*今日の漢字* 「芸」
今日はまた暑さが戻ってきました。
東京は35度、横浜は34度だそうです。
では・・・
新*今日の漢字*
「芸」 音読み ゲイ 訓読み ---
画数 7画 部首 くさかんむり
では常用字解で調べてみましょう。
会意 もとの字は藝に作り、音符は埶(げい)。
古い字形には苗木を両手で捧げ持つ形や苗木を土に植えこむ形、木の下に土を加えて苗木
を土に植えるという意味をより明確にした字 げい(左側上から木+土 右側 丮)も
あり、もとは埶の部分だけの字で、会意の字であった。
げい(左側上から木+土 右側 丮)が正しい形であるが、早くから埶の形になったよう
である。
埶は草木を「うえる」の意味であった。
草木に関することであるから草冠をつけて蓺(げい)となり、のち云(うん)を加えた藝
の字となった。
いまの常用漢字は植えることを示す埶を省略して芸の字形にするが、よく似た形の うん
(芸の草かんむりの中央が分かれている(くさぎる))という別の字がある。
芸は「わざ、技芸」の意味にも使う。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 旧字は藝に作り、埶(げい)声。
芸はその常用漢字であるが、耕耘除草をいう うん(芸の草かんむりの中央が分かれてい
る)という字があって、まぎらわしい。
[説文]三下 に正字を「木の下に土を加えて苗木を土に植えるという意味をより明確にした
字」に作り、「種(う)うるなり」と訓し、「坴(りく)・丮(けき)に從ふ」として土
塊をもつ形とする。
卜文の字形は若木を奉ずる形、また金文には左偏を木・土に従うて げい(左側上から
木+土 右側 丮)に作る字があり、種芸の意が明らかである。
[説文]などに げい(左側上から木+土 右側 丮)に作るものはその字形を誤ったもので
あろう。
若木を種えるのは、神事的な、また政治的な意味をもつ行為であったらしく卜辞では祭儀
に関して用いられ、金文では[毛公鼎(もうこうてい)に「小大の楚賦(賦貢)を」「(左
側上から木+土 右側 丮)(おさ)めよ」また「遠きを柔らげ ちか(左側上から木+
土 右側 丮)きを能(やす)んず」のように用いる。
その字が女に従うこともあり、巫女(ふじょ)がその儀礼に与(あずか)ることがあった
のであろう。
字は執の字形と誤りやすいが、執は手に手枷(てかせ)を加えている形で拘執(こうしゅ
う)の字、藝は種芸のじであるから、字は(左側上から木+土 右側 丮)に作るべく、
埶もまた誤りである。
また(左側上から木+土 右側 丮)にしても埶にしても、すべて両手の形に従うのがよ
く、両手にものをもつ形の丮に従うのが正形、丸は弾丸の丸で別の字である。
勢は種芸の木の勢いよく生育する意の字で、力(りょく)は耒(すき)の形。
従ってげい(左側上から木+土 右側 丮)に従う字であるが、げい(左側上から木+土
右側 丮)は早くその正形を失ったものであろう。
[釈文(しゃくもん)]に、唐人(とうじん)は種蓺(しゅげい)の字の蓺を用い、六芸の字
に藝を用いるとする説があるが、蓺・藝はいずれも[説文]にはみえない。
似た字に「しふ(蓺の草かんむりが中央で離れている)」があるが、[説文]一下 に「艸
木(そうもく)生ぜざるなり」とあり、別の字である。
白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「芸」の一番古い正しい形は「げい(左側上から木+土 右側 丮)」でしたが、早から「埶(げ
い)」となり、草木に関する字なので「蓺」となり、云をつけて「藝」となり、植えることを示す埶
を省略して常用漢字の「芸」となったのですね。
さて今日の一枚は・・・
本日収穫したミョウガです。
酢漬けにしようか、薬味にしようか悩んでいたら、ちょっと離れたところにあるミョウガも採ってき
てくれたので、今年作った梅酢の味を調えて漬け込もうと思います。
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