新*今日の漢字* 「候」
昨日は夏に欠かせなかった扇風機を使わずに済みましたが、
今日は蒸し暑く、自分の部屋から扇風機を持ってきました。
では・・・
新*今日の漢字*
「候」 音読み コウ 訓読み そうろう
画数 10画 部首 イ(にんべん)
では常用字解で調べてみましょう。
形声 音符は矦(こう)。
矦はもと こう(厂+矢)に作り、屋根の下に矢を放って、弓矢で家の周辺の邪気を祓
(はら)う候禳(こうじょう)とよばれる儀礼をいう。
こう(厂+矢)の屋根の上に人を加え、さらに儀礼につき従う人を加えて侯となった。
侯は都の周辺にあって、外敵の様子をうかがい、外敵の邪気を祓うことを任務としていた
諸侯であった。
侯がのち公侯伯子男の五等の爵号に用いられるようになって、別に候の字が作られ「うか
がう、うかがいみる、まつ」の意味に用いられる。
うかがいみるの意味から、季節の推移を七十二候に分かち、時候(季節)・気候の意味と
なった。
わが国では侍候(仕えること)の意味となって、「さぶらう」(今では「そうろう」と
する)とよむ。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 声符は矦(こう)。
矦は候の初文。
その初形は こう(厂+矢)に作り、のち矦に作る。
ちの字形では侯を用いるが、侯は古代の王朝において、その周辺部にあって外族と相対
し、遺族の悪邪を祓う侯禳(こうじょう)のことに任ずるものであった。
金文の[大盂鼎(だいうてい)]に「殷(いん)の邊侯甸(へんこうでん)」の名があり、
[書、酒誥(しゅこう)]に外服の諸侯を「侯・甸・男・衛の邦伯」とよんでいる。
この辺侯は、外族の動静を侯望し、これを祓禳(ふつじょう)して邪気をふせぐことを
任務とした。
[説文]八上 に「伺望するなり」とし、矦(こう)声とする。
[玉篇]に引いて「周禮(しゅうらい)に侯人有り」の語を加えている。
[周礼、夏官、序官、侯人、鄭玄(じょうげん)注]に「侯は賓客の來(きた)る者を侯迎
す」とあるが、侯はもと侯望・斥侯(せきこう)をなすことをいう。
[左伝、襄十八年]「齊侯(せいこう)巫山(ふざん)に登り、以て晉(しん)の師を望む」
は侯望の意。
望は古くは望気といわれる呪的な厭勝(ようしょう(まじない))の方法であった。
[左伝、宣十二年]に、邲(ひつ)の戦いで、敵の軍使に対して「豈(あに)敢えて侯人を辱
(かたじけ)なくせんや」とのべているのは、軍使の派遣なども、敵状の偵察をかねてい
たのであろう。
侯の本義は侯に従って侯禳の義をもつもので、侯・候はもと同じ字。
候は侯にまた人を加えたもので、重複の字形であるが、慣用によって、五等の侯と候望の
候とが分岐したものと思われる。
候望の意より、時季の推移を七十二候に分かち、また気候の義となった。
白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
以前より「侯」と「候」は似ているな、と思っていたのですが、つながりのある字だったのですね。
もと「弓矢で家の周辺の邪気を祓う候禳(こうじょう)とよばれる儀礼」あらわす「矦」の字に
人を加えて作られた「侯」にさらに人を加えて「候」となったのですね。
「うかがう、うかがいみる、まつ」の意味で、日本では「さぶらう(そうろう)」の意味となったの
ですね。
さて今日の一枚は・・・
した。
別上のホウセンカもつぼみが膨らんでいます。
夏休みの水やりの成果がやっと現れました。
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