新*今日の漢字* 「差」
夜はだいぶ涼しくなり、3階の部屋は網戸にしておくと扇風機は要りません。
心地よく眠れます。
新*今日の漢字*
「差」 音読み サ 訓読み さ(す)
画数 10画 部首 工
では常用字解で調べてみましょう。
形声 音符は左(さ)。
金文の字形は禾(か)と左とを組み合わせた形、また禾と右とを組み合わせた形で、禾
(禾稷(かしょく)稲ときび)を神に差(すす)めて祭るの意味である。
のち羊を犠牲(いけにえ)として薦(すす)めて神を祭る羞(しゅう(すすめる。は
じ))の字形の影響をうけ、誤って差の字形となり、形声の字となった。
神に差(すす)める、供える物のよしあしを選ぶことから「えらぶ」の意味となり、禾稷
の類は草丈の異なるものであるから、ふぞろいなことを参差(さんし)といい、「たが
う、くいちがう、ちがい」の意味ともなる。
国語では「さす」とよみ、差し出す、傘を差すのようにいう。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 声符は左(さ)。
金文の字形は禾(か)と左に従う形の他に、禾と右に従う形のものもある。
禾を神に差(すす)めて祝禱(しゅくとう)する意であるから、左・右はもと意符である
が、のちの定着した字形によって、左の形声とする。
金文の[叔夷鎛(しゅくいはく)]に「余(われ)、女(なんじ)命じて、正卿をさい(裁
の衣の代わりに糸)差(補佐)せしむ」と佐の義に用い、[国差(こくさ)たん(檐の木の
代わりに缶]にも、国佐を国差に作る。
また[蔡侯鐘(さいこうしょう)]に左右の左を さ(車+差)に作る。
差に左・佐の意があったものと思われる。
[説文]五上 に「貳(たが)ふなり。差(たが)ひて相値(あ)はざるなり」とし、左と垂
との会意字とし、左方が垂れて左右の均衡を失う意とするが、字の初形と合わない。
金文はすべて禾に従うており、羞(しゅう)は羊を神に羞(すす)める字であるように、
差は禾(黍稷(しょしょく))を神に差(すす)める意であろう。
のち人を他に使いする差使・差遣の義となる。
神に差めるために、その善否をえらぶことから、差択(えらぶ)の意となり、の意とな
り、またその参差(しんし)として不揃いであることから、順序次第を意味する差次・差
等の意となる。
[説文]の「貳(たが)ふなり」とする訓は、この差択・差次から生まれる訓で、差の初義で
はない。
参差をまた差池(しち)といい、差差(しし)という。
[左伝、襄(じょう)二十二年]「何ぞ敢(あへ)て差池する」、[荀子(じゅんし)、正名]
「差差然(ししぜん)として齊(ひと)し」のようにいう。
差池はまた蹉跎(さた)と同源の語で、蹉跌(さてつ)というのと同じ。
[説文]の訓は、この系統の訓を差の本義とするものであるが、みな双声あるいは畳韻の語に
すぎない。
初義はその字形によって考えるべきである。
差の字形によって誤ったもので、古い字形はすべて禾を薦める形である。
白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「差」の金文の字は「禾」と「左」や「右」を組み合わせた形で「禾(稲ときび)を神に差(すす)
めて祭る」意味だったようですね。
供えるものをえらぶ意味となり、草丈が異なるので「たがう、くいちがう、ちがい」の意味になった
ようですね。
さて今日の一枚は・・・
どんよりとした今朝の空です。
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