新*今日の漢字* 「順」
先日の雨で瓦が飛んだアパートの屋根の応急処置も昨日夕方終わり、
雨が降りそうな空模様にも少しだけ安心できるようになりました。
では・・・
新*今日の漢字*
「順」 音読み ジュン 訓読み ---
画数 12画 部首 頁(おおがい)
では常用字解で調べてみましょう。
形声 音符は川(せん)。
川に馴(じゅん(なれる))なれるの音がある。
古い字形には涉(渉)と頁(けつ)とを組み合わせた会意の字形が多い。
その字は瀕(ひん(みぎわ、水ぎわ))と同じ字形となる。
頁は儀礼用の帽子をつけて拝む人の姿であるから、もとは渉(わた)し場で行う
儀礼をいう字であろう。
金文に「順子」という語があり、その字は涉と頁とを組み合わせた字で、順子は
孝子(親に孝行な子)の意味である。
水ぎわで親を祭る儀礼があり、順はそれを示す字であろう。
古い時代には水葬(死体を水に流してほうむること)の俗もあったので、それと
の関係があるかもしれない。
祭祀(さいし(祭り))をいう字であるから、神意にしたがうというのがもとの
意味で、のちすべて「したがう」の意味となり、したがうことから「すなお、た
だしい」などの意味となる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました
形声 声符は川(せん)。
川に馴(じゅん)の声がある。
[説文]九上 に「理(をさ)むるなり」とし、字を会意とする。
[段注]に「川の流るるは順の至りなり。故に字は頁(けつ)・川に從うて會意、
而して川聲をとる」と亦声(えきせい)の解を試みている。
頁は人の礼装した儀礼の姿であるから、川の流れの順なるにこの形を用いる要は
なく、これは水流に臨んで行われる何らかの儀礼を意味する字のはずである。
金文の[効尊(こうそん)]に「順子」という語がみえるが、その字は涉(渉)に
従う形に作り、人の渉(わた)るところで行われる儀礼をいう字であろう。
字形のまま解釈すれば、瀕(ひん)となる。
これは水の渡渉すべきところに臨んで、その安全を祈る儀礼を意味する字とすべ
く、安全を祈り、安全を保障されることが順の諸義であろう。
従順・和順・順導・順逆などの意はその引伸の義で、元事前の勢に従うことを順
といったのである。
[効尊]に順子を瀕子(じゅんし)に作り、[えい(上段横並びに火2個、下段乂)
き(皀+殳)]に順福(じゅんぷく)の字を瀕福(じゅんぷく)に作っていて、瀕
がその初文であり、もと会意の字であった。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「順」はもと「水の渡渉すべきところに臨んで、その安全を祈る儀礼」だったようですね。
「従順」などの意味は引伸(意味を引き延ばす)の義だったようですね。
さて今日の一枚は・・・
いわゆるブーゲンビリアの花と思われている「花を取り巻く葉(包葉)」と思われます。
ブーゲンビリアは2回購入したことがありますが、購入時以外で「包葉」ができたのは初め
てです。
もしかして、夏の暑さが幸いしたのでしょうか。
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