新*今日の漢字* 「望」
今日は昨日搗いたお餅を切りました。
食べる用のタイプとコロコロに切った「あられ」と薄切りにした「かき餅」タイプの3種類
です。
約1か月室内干しにして、保存します。
では・・・
新*今日の漢字*
「望」 音読み ボウ モウ 訓読み のぞ(む)
画数 11画 部首 月
では常用字解で調べてみましょう。
形声 音符は亡(ぼう)。
甲骨文字の字形は、つま先で立つ人を横から見た形 壬(てい)の
上に臣(上方を見ている目の形で、大きな瞳(ひとみ))をかく形で、爪先立っ
て遠くを見る人の形であり、象形の字。
これに音符の亡を加えた望は形声の字。
遠くを望み見ることから、「のぞむ、まちのぞむ、ねがう」の意味に用いる。
つま先立って大きな瞳で遠方を見ることは、雲気を見て占う行為であり、また目
のもつ呪力(じゅりょく(まじないの力。呪(のろ)いの力))によって敵を押
さえつけて服従させる呪的な行為であった。
甲骨文に望乗という氏族名がみえ、軍隊に従っているが、目の呪力によって敵状
を知り、敵を服従させることを職務としていた氏族であろう。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 声符は亡(ぼう)。
卜文は、大きな目をあげ、挺立(ていりつ)して遠くを望み見る人の形である
ぼう(上下に臣+壬)で、象形、
のち金文の字形は月を加え、また目の形の臣が亡の形に書かれて望の字となっ
た。
望は声符として亡を加えた形声の字。
また[説文]八上 に別にぼう(上に臣+月 下に壬)の字をあげており、それは卜
文の ぼう(上下に臣+壬)の字形に月を加えて、十五夜の望を意を示した会意
字であるが、のち望の字形が行われている。
[説文]十二下 に「出亡して外に在り、其の還(かへ)るを望むなり」とするの
は、亡を意符とし、亡去の義をもって解するものであるが、亡はのちに加えられ
た声符である。
卜文の ぼう(上下に臣+壬)は人が足をそばたてて遠く望む形の象形字。
遠く望むことによってその妖祥(ようしょう)を察し、またその目の呪力(じゅ
りょく)によって敵に圧服を加える呪儀を望という。
卜辞に「媚人(びじん)三千をして、苦方を のぞ(ぼう(上に臣+月 下に
壬))ましむること勿(なか)らんか」とは、眉飾(びしょく)を加えた巫女
(ふじょ)三千人をして、山西北方の異族である苦方を一斉に望視する呪儀を行
うことを卜するもので、戦争のときには、このような呪儀が、さかんに行われた
のであった。
・・・後略(いろいろな例)・・・
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「望」はもと「ぼう(上下に臣+壬)や ぼう(上に臣+月 下に壬)」と書かれ、
もとは「遠く望み、その目の呪力によって敵を圧服する呪儀」を意味していたようですね。
省略してしまいましたが、日本でも「国見」という儀礼があり、「春の初めに天皇が聖なる
山に登り、国を見渡して、ほめることによって、豊かな実りをあらかじめ祝う農耕儀礼」
だそうです。
私は「山に登り、見渡す一面をわが国とするぞ」という意欲満々の願い?誓い?を立てるこ
とと聞いていました。
「ことば」にも言霊があるように「見る」ことにも呪力があったのですね。
さて今日の一枚は・・・
今日切ったあられとかき餅です。
狭い家なので、座卓の上にゴザを敷いてあられもかき餅も混ぜて干してあります。
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