新*今日の漢字* 「久」
昨日からの雨が続いています。
月曜日は日曜日の夜中に終了するオークションのいろいろな手続きや発送でバタバタしてい
ます。
では・・・
新*今日の漢字*
「久」 音読み キュウ ク 訓読み ひさ(しい)
画数 3画 部首 ノ(の はらいぼう)
では常用字解で調べてみましょう。
象形 人の死体を後ろから木で支えている形。
この形で棺に収める字は匛(きゅう)、のちひつぎが木で作られることが多い
ことから柩(きゅう(ひつぎ))の字となる。
動詞としては、久す(支える)の意味である。
人の死体の形である久が、久遠(くおん(未来に向かって果てしなく続く
こと。永遠))の意味になるのは、人の生は一時(ひととき(わずかの間))で
あるが、死後の世界は永遠であるという古代の人々の考えによるものである。
したいから死後の世界を連想し、永遠という意味を導きだしたのである。
行き倒れの死者を意味する真(眞)が、のち真実、真の存在に移り変わったのと
同じである。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
象形 屍体(したい)を後ろから木で支えている形。
[説文]五下 に「後ろより之(これ)を灸(きゅう)す。人の兩脛(りょうけ
い)の後ろに距(ささへ)有るに象るなり」とあり、後ろにものを詰める意とす
る。
[周礼(しゅうらい)]には灸(きゅう)をその意に用いるが、[儀礼(ぎらい)、
士喪礼(しそうれい)]には「木桁(きげた)もて之(これ)を久(きゅう)す」
と久の字を用いる。
これを棺に収めるのを柩(きゅう)という。
匸(けい)部十二下 に「柩は棺なり」とあり、「その籀文(ちゅうぶん)の字
形は曲形中に舊(旧)をしるして きゅう(匚+舊)に作り、旧(きゅう)声。
柩の古音は、[詩、小雅、六月(りくげつ)]に喜・祉(し)・久(きゅう)・鯉
(り)・矣(い)と韻しており、徐灝(じょこう)の[説文段注箋(せつもんだん
ちゅうせん)]に「久の古音は讀むこと己(き)の若(ごと)し、今杭(かう)
州の語音之(これ)に近し」としう。
久の初義は柩(ひつぎ)に収むべきもの、これを旧久の義に用いるのは、顚死者
(てんししゃ)をいみする眞(真)が永遠を意味するように、字の転義であろ
う。
長久・久遠の意に用い、天長地久という。
久しく人に会わないことを久闊(きゅうかつ)、長生きを久寿という。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「久」はなんと「人の死体を後ろから木で支えている形」だったのですね。
死体の形なのに久遠・永遠の意味になるのは古代の人々が「死後の世界は永遠である」と
考えていたからのようですね。
さて今日の一枚は・・・
人知れず咲き始めた梅の花がきれいに咲き誇っていました。
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