新*今日の漢字* 「質」
さあ、十連休の始まりです。
私のお楽しみは実姉に誘ってもらった連休後半の京都、仏像三昧の旅です。
その前に実家の母のお墓参りに行きますが、それ以外は・・・
通常通りに過ごします。
では・・・
新*今日の漢字*
「質」 音読み シツ シチ チ 訓読み ---
画数 15画 部首 貝
では常用字解で調べてみましょう。
会意 斦(ぎん)と貝(ばい)とを組み合わせた形。
斦は二ふりの斤(おの)。
貝はもと鼎(かなえ(もと煮炊き用の青銅器で、祭器として用いる))の形で
ある。
二ふりの斤で鼎に銘文を刻みつけることを質といい、銘刻して約束すること、
銘刻された質剤(契約書)という。
それは則が円鼎(えんてい)に刀で重要な契約事項を刻みこむのと同じく、質も
重要な約束事を刻みこむことをいう。
質・則・剤はみな鼎に刻みこんだ契約・約束をいう。
しれで契約の基本になるものであるから本質(そのものの特徴となっている、
大事な性質・要素)といい、これによってすべてを質(ただ)すので、質正(た
だすこと)といい、また基本にさかのぼって事を問うことを質問という。
契約・約束というもとの意味から「なる、ただす、したじ、ひとじち」など多く
の意味に使われる字である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 斦(ぎん)と貝(ばい)とに従う。
貝はもと鼎(てい)の形。
鼎に二斤(きん(手おの))をもって銘刻を施すことをいう。
重要な契約・盟誓の辞などを鼎銘として加えたが、これを質剤(しつざい)とい
う。
[説文]六下 に「物を以て相贅(あいぜい)す」とあり、質に入れることであると
するが、それでは二斤に従う意を解することができず、その点については「闕
(けつ)」すなわち不明とする。
貝は鼎の省略体であり、財物の意ではない。
則も鼎に銘刻を加える意で、また盟約のことをいう。
[左伝、文六年]「質よう(喓の口無し(要の旧字体))を出(いだ)す」の[杜預
(とよ)注]に「質よう(喓の口無し)は劵契(の旧字(左上が蚌の虫無し))な
り」とみえ、契とは気に鑿歯(さくし)形の契刻を加えたものである。
[周礼(しゅうらい)、天官、小宰(しょうさい)]「官府の八成」のうち、「七
に曰く、賣買を聽(き)くに質劑を以てす」とあり、[地官、質人]に「大市には
質を以てし、小市には劑を以てす」という。
質は鼎に、劑(剤)は方鼎の せい(齊の下方→鼎)に銘文を刻みつけるのであ
る。
質は訓義の多い字で、[経籍籑詁(けいせきせんこ)]に列するものは五十義を超え
るが、質剤の義が本義、他は引伸もしくは仮借義(かしゃぎ)である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「質」の今は「貝」と書いている部分は本当は「鼎」だったのですね。
そして「質」の元々の意味は「二ふりの斤で鼎に銘文を刻みつける」ことだったのですね。
この銘文は重要な契約の文だったのですね。
清の時代に作られた[経籍籑詁(けいせきせんこ)]には五十義を超えるものが書かれていた
ようですが、本来の意味は質剤(鼎に銘文を刻む)ことなのですね。
さて今日の一枚は・・・
昨年もらったカロライナジャスミンの花が咲きました。
つる性のようですが、巻き付く場所がないのでかわいそうです。
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