新*今日の漢字* 「夢」
今朝下の孫がエサをあげていたアゲハ蝶のさなぎが羽化しました。
私が朝5時半ごろ見たときはちょっと黒くなってきたかな?またダメかな?
と思っていたのですが・・・
8時過ぎに主人が「おい!黒い蝶々がいるぞ」と声をあげました。
孫たちを呼び寄せ記念撮影&放蝶会?をしました。
クロアゲハはしばらくは飛ばず、私の顔にとまったり、下のまごの腕を登って行ったり、
結局、下の孫の朝顔にとまらせてしばらく様子をみました。
下の孫はうれしさと離れ離れになる寂しさで涙が止まりませんでした。
11時頃様子を見に行くと・・・
待っていたかのように、パタパタと飛び立っていきました。
では・・・
新*今日の漢字*
「夢」 音読み ム 訓読み ゆめ
画数 13画 部首 タ(た ゆうべ)
では常用字解で調べてみましょう。
会意 かん(草かんむりの中央がつながっていない+見+儿の右側曲部付近に 、)と
夕とを組み合わせた形。
かんは眉(まゆ)を太く大きく描いた巫女(ふじょ(神に仕える女))が座って
いる形。
祖先を祭る廟(みたまや)の中でその巫女がお祈りをしている形が寛である。
夢は睡眠中に深層心理的な作用としてあらわれるものとされるが、古くは呪術を
行う巫女が操作する霊の作用によって夜(夕)の睡眠中にあらわれるものとされ
た。
それで夢は「ゆめ、ゆめみる」の意味となる。
[周礼(しゅうらい)、春官]に占夢の職があり、夢の判断をした。
また年末には、一年間の夢を調べ、堂贈(どうそう)という鬼やらいの儀礼を
行い、夢送りの行事としてその年の悪夢を祓(はら)った。
高貴の人が死ぬことを薨(こう(しぬ))というが、薨とは夢魔(むま)によっ
て死ぬことで、後期の人には夢魔の危険が多かったのであろう。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
会意 かん(草かんむりの中央がつながっていない+見+儿の右側曲部付近に 、)と
夕とに従う。
(かん)は媚蠱(びこ)などの呪術を行う巫女(ふじょ)の祈る形。
巫女の操る呪霊は、夜(夕)の睡眠中に夢魔(むま)となってその心をみだす
もので、夢はその呪霊のなすわざとされた。
[説文]は夕部七上 に夢、ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)部七下 に(ぼう)の
字を録しているが、もと同じ字である。
夢を[説文]に「明らかならざるなり、夕に從ひ、瞢(ぼう)の省聲」とし、[繋伝
(けいでん)]には瞢の亦声(えきせい)とするが、必ずしも瞢の省声や亦声では
なく、瞢は「明らかならざる」状態をいう語である。
[詩、小雅、正月]「天を み(示+見)るに夢夢(ぼうぼう)たり」はその瞢瞢の
意。
夢は ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)の省文で[周礼(しゅうらい)]には
ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)の字を用いる。
・・・中略(ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)の文献例)・・・
[周礼、春官、大卜、鄭玄(じょうげん)注]に「夢は人の精神の寤(さ)むる
所、占ふべき者なり」というように古くは予占に用いた。
ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)は寝に従う字であるが、寝(寢)は正寝で廟室
(びょうしつ)の意であり、疒に従う形ではない。
ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)は神霊の啓示としてあらわれるもので、その
啓示をもたらすものは媚(び)とよばれる巫女、寛とは廟中でその媚女がお祈り
している形である。
夢の上部も かん(草かんむりの中央がつながっていない+見+儿の右側曲部
付近に 、)の形に従う。
その呪霊が、夢の中で種々の暗示を行なう。
それで大卜・小卜の官があって、夢占いが行われた。
その例は[左伝]に多くみえている。
また歳終には、一年間の夢をしらべ、堂贈(どうぞう)という夢送りの行事を
して、悪夢を祓(はら)った。
ぼう(上部 宀、下部 爿+夢)は廟中で夢魔に逢(あ)うもので、そのために
衝突死することもあって、それを薨(こう)という。
・・・後略・・・
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「夢」は「呪術を行う巫女が操作する霊の作用によって夜(夕)の睡眠中にあらわれ
る」ことを表していたのですね。
科学の進んでいない古い時代は「夢」も占いにとって大切な要素だったのですね。
翌年のために、一年の夢を調べて夢送りの行事をして悪夢を祓っていたのですね。
さて今日の一枚は・・・
餌をもらっていた下の孫の肩にとまるクロアゲハです。
「ありがとう」とささやいているように見えるのは私だけ?
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