新*今日の漢字* 「勤」
夏が戻ってきたような昨日とはうって変わって・・・
雨が降りそうな、曇り空です。
では・・・
新*今日の漢字*
「勤」 音読み キン ゴン 訓読み つと(める まる)
画数 12画 部首 力
では常用字解で調べてみましょう。
形声 もとの字は(勤の左側が覲の見無し)に作り、音符は きん(覲の見無し)。
きん(覲の見無し)は かん(熯の火無し)と同じく飢饉(ききん)に関係の
ある字である。
きん(覲の見無し)は凶作のとき、頭上に口(さい(神への祈りの文である祝詞
を入れる器の形))を載せた巫祝(ふしゅく(神に仕える人))が前に両手を
交叉(こうさ)して縛られ、火で焚(や)き殺される形である。
飢饉のとき、雨を祈って雨を降らせることができなかった巫祝はこうして焚き殺
されたのである。
力(りょく)は耒の形。
農耕につとめて飢饉を免れようと努力することを勤といい、「つとめる、つとま
る、いそしむ」の意味に用いる。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 旧字は(勤の左側が覲の見無し)に作り、声符は きん(覲の見無し)。
きん(覲の見無し)は艱難(かんなん)のことを示す字。
力は耒(すき)すきの形。
農耕のことに勤苦することをいう。
[論語、微子(びし)]「四體勤めず、五穀分たず。敦(たれ)をか夫子(ふう
し)と爲す」の勤がその義。
それよりしてすべて事に勤労することをいう。
[説文]十三下 に「勞するなり」と訓し、労もまた力に従うて、農作に関する字で
ある。
[詩、周頌(しゅうしょう)、賚(らい)]は文王を頌する廟歌(びょうか)で、
「文王、(皀+旡)に勤(いそし)めり」とは王業に勤めることをいい、農作に
勤める意ではない。
金文には きん(覲の見無し)を勤の意に用い、[宗周鐘(そうしゅうしょう)]
「王肇(はじ)めて文・武の(覲の見無し(つと))めたまへる疆土(きゃう
ど)を遹省(いつせい)す」、[単伯鐘(ぜんはくしょう)]「丕顯(ひけん)なる
皇そ(示+且)剌考(れつかう)、先王を たす(しんにょう+朿)け匹(た
す)け、大命に勳(くん)きん(覲の見無し)せり」、[毛公鼎(もうこうてい)]
「亦(また)唯(こ)れ先正、厥(そ)の辟(きみ)を襄辥(じやうがい)し、
大命に勳(くん)きん(覲の見無し)せり」、[陳曼簠(ちんまんほ)]「肇
(つ)ぎて經德に つと(覲の見無し)めたり」のように用いる。
のち行役などの義にも用い、[国語、周語(しゅうご)]「民を遠きに勤めしむるこ
と無し」という。
王事に勤めることを勤王という。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「勤」のもとの字は「覲の見無し」で、飢饉に関する字だったようですね。
そしてもとは「農耕につとめて飢饉を免れようと努力する」ことをいったようですね。
のち「すべて事に勤労する」意味に用いられるのですね。
さて今日の一枚は・・・
このところは秋の兆しシリーズになっていますね。
今日は柿の実です。
柿の実はよく実る年とほとんど実らない年が交互にくるのですが・・・
3本ある柿の木の1本がある年に実らず、翌年からは他の2本と実る年が逆になりました。
おかげさまで、毎年少しは柿が食べられるようになりました。
今年はこの貴重な1本の柿の木の実をいただく予定です。
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