新＊今日の漢字＊　「劇」

今晩から明日にかけて台風が関東に接近または上陸する予定だそうです。

昨年の台風のように被害が出ないよう祈っています。

では・・・

新＊今日の漢字＊

「劇」　音読み　　ゲキ　　　　　訓読み　　－－－

　　　　画数　　15画　　　　部首　　ﾘ（りっとう）

では常用字解で調べてみましょう。

　　会意　豦（きょ）とﾘ（りっとう（刀））とを組み合わせた形。

　　　　　豦は虎の頭をした獣の形であるが、これは模擬的な儀礼を行うために虎の皮を身

　　　　　に着けて、人がその役を演じている姿である。

　　　　　この人を刀で斬（き）りつけて、悪虐の者を討伐する演戯が神前などで行われ

　　　　　た。

　　　　　それは戦勝を祈る儀礼であったのであろう。

　　　　　そのときの演戯の動作が劇（はげ）しかったので、劇は「はげしい」の意味とな

　　　　　る。

　　　　　戯も同じような戦勝を祈る儀礼として行われた。

　　　　　戦勝を祈る儀礼のときの劇的な所作（しょさ（しぐさ））がのち演劇になって

　　　　　いったのであろう。

（白川静　常用字解　平凡社）より

次に字統を調べてみました。

　　会意　豦（きょ）と刀（ﾘ（りっとう））とに従う。

　　　　　豦は虎頭（ことう）を被（かぶ）って奮迅（ふんじん）する形。

　　　　　これに対して刀でたち向う軍戯を、劇という。

　　　　　[説文新附]四下　に「尤甚（いうじん）なり」とあり、甚だしい義とするが、副詞

　　　　　的であるよりも形容詞的な語である。

　　　　　[荀子（じゅんし）、非十二子]に「猶然（いうぜん）として材劇（おほ）く、志大

　　　　　なり」、また[荀子、解蔽（かいへい）]「夢劇（むげき）を以て知を亂さざる、

　　　　　之（これ）を靜と謂ふ」のように用いる。

　　　　　雄々しく狂おしいような状態をいう語である。

　　　　　字の構造は戯（左側とらかんむりの下が豆）と類似するところがあり、戯は虎頭

　　　　　を被った人が豆形の器に腰かけ、これを戈（ほこ）をもって撃つ形で、戯・劇は

　　　　　いずれも軍戯、のちそれが戯劇となった。

　　　　　戯も戦闘の意を含む字である。

　　　　　[説文]十三下　に　きょ（豦＋力）の字を収め、「務むるなり」というが、用例な

　　　　　く、[文選（もんぜん）注]などに「疾なり」とあって劇と同訓。

　　　　　力（りょく）はもと耒（すき）の形であるから、豦とは結合しがたい字で、おそ

　　　　　らく劇の異文であろう。

（白川静　新訂　字統（普及版）　平凡社）より

「劇」は「豦と刀とを組み合わせた形」だったのですね。

「豦」は虎の皮を身につけた人で、これを刀で斬りつけて討伐する「戦勝を祈る儀礼」だっ

たようですね。

この戦勝を祈る儀礼のときの劇的な所作がのち演劇となったようですね。

さて今日の一枚は・・・

今朝6時頃の空模様です。

まぶしい朝日に思わず写真を撮りました。

スマホなので、画面を見ずにシャッターを押せるのがありがたいです。