新*今日の漢字* 「宝」
薄曇りの寒い午前中です。
10時にっ右手を骨折しているお隣さんの頼みで買い物へ行きました。
では・・・
新*今日の漢字*
「宝」 音読み ホウ 訓読み たから
画数 8画 部首 宀
では常用字解で調べてみましょう。
形声 もとの字は寶に作り、音符は缶(ふ)。
宀(べん)は祖先を祭る廟(みたまや)の屋根の形。
廟の中に玉(ぎょく)・貝(ばい(子安貝の形で、貴重なものとされた))・
缶(土製の酒器・水器)を供える形が寶で、その供えられた物を「たから、たか
らもの」という。
[説文(せつもん)]七下 に「珍なり」とあり、珍宝(ちんぽう(珍しい宝物))
の意味とする。
廟に供える祭器の青銅器の銘文には「寶そん彝(ほうそんい(後ほど写真で))
を作る」というのが通例である。
(白川静 常用字解 平凡社)より
次に字統を調べてみました。
形声 旧字は寶に作り、缶(ふ)声。
宀(べん)は廟所(びょうしょ)の屋根の形。
廟所に玉(ぎょく)や貝や缶を供薦する形で、その供薦するものを宝という。
[説文]七下 に「珍なり」と訓し、珍宝(ちんぽう)の義とするが、もと宗廟に
供薦する貴重なものを宝という。
廟に供える彝器(いき)の銘文には「寶そん彝を作る」のように、その器に宝を
冠していうのが例であり、廟中の祭器をいう。
のち財宝として宝貴とするものに冠して、宝玉・宝剣といい、天子の位を宝位・
宝祚(ほうそ)、尊敬の語に用いて宝墨・宝章のようにいう。
じはまた宲に作り、[説文]七下 に「藏するなり」と訓し、[書、顧命(こめい)]
の「陳宲(ちんぽう)赤刀」の文を引く。
今本に「陳寶」に作る。
宲はもと保に従う字であろう。
保・宝は通用の字で、金文の[倗生(ほうせい)き(皀+殳)]に「寶き(皀+
殳)」を「保(ほう)き(皀+殳)」に作り、他に「寶用」を「保用(ほうよ
う)」に作る礼が多い。
[史記、留(りゅう)侯世家]に「寶祀(ほうし)を「葆祀(ほうし)」に作る。
葆もまた通用の字である。
(白川静 新訂 字統(普及版) 平凡社)より
「宝」はもと「寶」と書いていたのですね。
パーツをそれぞれ見ていくと「宀・玉・缶・貝」で「宀(廟の屋根)の下に玉・缶・貝」を
供えている形そのものだったのですね。
そして「宝」はもとは廟に供えられた「たから、たからもの」の意味だったようですね。
また、古い時代は宲・保・葆などとも通用していたようですね。
さて今日の一枚は・・・
宝そん彝の「そん」でしたね。
常用字解も字統も2行に分かれていて、前の行の最後に「寶」の字があります。
あまり目にしない「そん」と「彝」ですね。
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